第83回 事業サイズの「解像度」を上げるということ|トロントの多様性をクリエイティブに楽しむ
さまざまなプロジェクトに関わる中で、いつも最初に気になるのが「この事業は、どれくらいの規模を目指しているのか?」という視点です。初期の打ち合わせでは「こんな企画を考えていて、売上はこれくらい」など、足元の話はよく出ます。でも、「最終的にこの事業をどこまで育てたいのか」という目標のスケール感が見えないことが少なくありません。
目的地が曖昧なままだと、どんな組織体制が必要か、何人の人材が要るのかといった設計もぼんやりしてしまいます。結果的に、プロジェクトとしては動いているように見えても、ある時点で行き詰まってしまうリスクが高まります。もちろん、個人事業やスモールチームで完結させる選択もありますし、それが悪いわけではありません。ただ、最初に「これはどのサイズを目指すのか?」というビジョンが共有されていれば、チームに加わる側も動きやすくなるし、戦略も立てやすくなるはずです。
最終的に事業のスケールを決めるのは、リーダーの覚悟や度量だと思います。経験上、その「腹の括り方」は、意外とアサインされた段階で見えてしまうものです。逆に言えば、自分自身がプロジェクトを引っ張る立場にあるときも、「自分はこの挑戦にどれくらい本気なのか?」を常に問い直す必要があるのだと思います。
視野が狭くなると、ビジネスに対する目線も内向きになってしまう。だからこそ、メタ認知的に自分や事業を見つめ直す視点が大切です。最近、日本でもコーチングが注目されているのは、そうした“視点の整理”を必要とする人が増えているからかもしれません。
海外で挑戦する人にも、この「スケール感を描く力」は強い味方になります。どんな山に登るかを最初に描いてこそ、チームは同じ方向を向ける。そんな視点を大切にしたいですね。















