初めての人にも分かりやすい カナダの住宅ローン講座 第2回

本文=内藤洋子(Scotiabank 住宅ローン担当マネージャー)
第2回 「モーゲージをどのように管理していくか」
前回もお話しましたがここ最近の金利は過去最低といわれ、しばらくはこの低い金利が続くということが予想されています。では、モーゲージをただ組むだけではなくそれをどのように管理していくかによって返済期間や総返済額の軽減にどれだけ影響があるかということを今回はお話していきたいと思います。
まずはじめに“Amortizationの話”
“Amortization”とはモーゲージの返済期間のことです。
以前はカナダでも“Amortization”が最長40年間まで可能な時期もありましたがここ2年の間に規則が大きく見直され、今では最長30年になりました。そして去年の7月からは頭金が20%以下のモーゲージに関しては最長完済期間が25年までに変わりました。(ただし保証料を増額して30年に引き伸ばす事も可能)
それによっての主な影響としては
(1) 月返済額の増額
(2) 審査可能な借入額の減額(収入における支出の割合での審査になるため)
などがあげられます、金融庁はカナダの経済状況と住宅市場を頻繁に監査し、それに見合った規則の改正を常に行っています。今の最長期間も近いうちに25年になることも大いに考えられます。
ケーススタディ
“Amortization”を30年間、金利を3%として$300,000のモーゲージを組んだ場合
この場合の月返済額は$1261.81です。これがもし25年になったら$1419.74です。金利が同じでもこれだけの違いがでます。
ただしモーゲージを5年早く完済しますので元本の$300,000に利息$125,921を足して総返済額は$425,921になります。これはあくまでも金利が3%と変わらないで25年払い続けるという仮定の元での計算であって、金利が上がればもちろん利息分も増額します。
アドバイス1:繰り上げ返済の提案
この$1419.74という返済額に無理がなければ30年で組んで月返済額に$157.93を足し、毎月$1419.74を支払い続けるとモーゲージは26年で完済し、利息は$27,053の軽減があります。基本返済額は$1261.81なのでいつでも元に戻すことができます。(ほとんどの銀行は無料で変更ができますが、金融機関によっては手数料がかかることもありますのでご確認ください)
こうしてみるとはじめから短期間での設定をしてしまうのではなく、最長期間で設定をしておいて余裕があるときに繰り上げ返済をしていくことで、家計への圧迫をうまくコントロールでき、総返済額の軽減が実現します。
金利がもし5%に上昇したとすれば基本の返済額で、既に$1601.07となり、その上繰り上げ分まで加えるのは難しくなってきますよね。今のところ低い金利を保っているとはいえ金利の上昇は必ずあります。金利が低い今だからこそ、できる限りの繰り上げ返済はしたいものです。
アドバイス2:繰り上げ以外でも返済期間を短縮可能
月に一度の支払いからBi-weeklyに変更するだけでも3,4年の短縮が可能です。先ほどの例で繰り上げ返済とBi-weekly返済を選択した場合は23年でモーゲージを完済することができ、この場合利息は$41,864も軽減できます。
たいていの銀行の場合15%までのLump Sum Payment(繰り上げ返済)が罰金なしで可能なので、30年間で組んだモーゲージを10数年で返済することも夢ではないのです。
金利だけを決め手にするのではなく、ご自分のライフプランやイベントに合わせてフレキシブルに変更できるものを選ぶことはとても大事なことなのです。
来月号では“金利”と“Term”についてお話したいと思います。










