第6回 JCCCトロント日本映画祭 クロージングレセプション @日系文化会館
大盛況のうちに閉幕!今後もカナダと日本文化の架け橋に!
6月8日〜28日にかけて開催された今年で第6回目となるJCCCトロント日本映画祭。21日間に及んだ映画祭では計25作品が上映された。これは例年のトロント日本映画祭と比べても一番多い作品数となった。映画祭初日に上映された『海賊とよばれた男』は観客総立ちのスタンディングオベーションを巻き起こし、会場を訪れた山崎貴監督は華々しいオープニングを飾ってくれた。
本映画祭はその後も盛り上がりを見せ続け、『聖の青春』では森義隆監督、『湯を沸かすほどの熱い愛』・『オーバー・フェンス』では俳優オダギリジョーさん、『ママ、ごはんまだ?』では白羽弥仁監督、そして最終日の『忍びの国』では今回でトロント日本映画祭二度目の登場となる中村義洋監督がゲストとして招待され、トロントの人々は名だたるビッグゲストたちとの交流とそれぞれの日本映画を心から楽しんだ。
最終日である6月28日、『忍びの国』上映前には中村義洋監督より挨拶が行われ、自身が前回訪れた2年前より15キロほど痩せたことについて触れ「カッコイイ映画を作ったので監督もカッコイイ姿でトロントに登場したいと思ったのです(笑)。」と会場を笑いの渦に巻き込む場面も見られた。その後はジェームス・ヘロンJCCC館長より中村監督に特別監督賞が授与され、会場は惜しみない拍手に包まれた。
上映後には観客の興奮が冷めやらぬ中クロージングレセプションが行われ、参加者たちにはお寿司やデザートなどの料理が振舞われることとなった。そしてレセプション内で、マーティン・コバヤシ氏より観客賞の発表が行われた。同賞には、今回映画祭にも登場したオダギリジョーさん出演作品『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太監督)が見事受賞。余命宣告を受けた母の家族への惜しみない愛情とその生き様、家族の強い絆を描き出した同作品は、トロントの観客たちの心を鷲掴みにしたようだ。
その他、トロント映画祭に設けられているもう一つの賞である審査員賞には第二次世界大戦下の広島を舞台に、直向きに生きるヒロインを描いたアニメーション作品『この世界の片隅に』(片渕須直監督)が受賞。ヒロインすずのその生き様に、審査員たちも心打たれたことだろう。
年々、その規模を大きく成長させ、今年は観客数が例年より30%増加するなど、確実にトロントの日本映画ファンを増やし続けているJCCCトロント日本映画祭。来年は一体どのような映画たちが選出され、日本からどのゲストがやってくるのか、ファンたちは今から待ちきれないことだろう。