今年はこうなる2025年度版ひろの大予想|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明
「ひろの大予想」は今回で13回目となる。2024年の予想を読みながら一年を振り返ってみると難しい一年だったと思う。世の中の切り口がより複雑で読みづらくなったことが理由だろう。24年の「ひろの大予想」の的中率はひいき目に見て約7割。今後は予想だにしないどんなサプライズが我々を待っているか、そちらの方が気になる。
25年度版「ひろの大予想」は例年よりひと月早くお送りさせて頂き、トルジャのひろのコラムはこれをもっていったん連載は終了させて頂きます。長年のご愛読ありがとうございました。また不定期ながら皆様にトルジャ紙面でお会いできれば幸いです。ひろのブログ、「外から見る日本 見られる日本」は引き続き毎日アップデートされますのでそちらもよろしくお願いします。
ひろの大予想 #01
世界経済はさまよう。株価も踊り場に
世界中で株価が躍った24年だが、企業業績は伸びしろを失い、踊り場に。金利が下がる世界とは景気も雇用も冷えてきている意味だと改めて思うだろう。特にドイツを中心とした欧州は厳しさを増しそうだ。
ひろの大予想 #02
トランプ氏は思うような成果を上げられず
現代の民主主義が誰の利益を守ることなのか不透明になった。トランプ氏は誰のために大統領としての職務を行うのか、Great Americaと言いながら約半分のアメリカ人が望まない政治的かじ取り、そして多くの国が望まない外交方針では前回の時の様な勢いは当然持ちえない。トランプ氏も時代の変化と妥協の産物を理解する時が来る。
ひろの大予想 #03
日本の政治は混とん、石破首相はいつまで
日本の政治は政党間の主義主張のバランスと官僚と議員との駆け引きという奇妙な構図の中で成り立つ。石破氏のような理念先行型では様々なボイスをかわし、外交をてきぱきこなし、リーダーシップを取るのは至難の業だろう。世論は首相交代を望むだろう。石破氏はそれに対してさほど抵抗できないはずだ。
ひろの大予想 #04
日本では倒産や自主廃業が増え、若者が引き起こす社会問題も深刻に
個人事業主がいよいよリタイアしたくても引き継ぎ手がなく多すぎた会社は急減する。少子化の中でより資本化は進む。一方、枠組みから外れた若者は失業し、若年層の失業率は人材不足の日本でありながらなぜか上伸する。組織に入れない若者と事業をたたむ高齢者で日本の行方は混迷に。
ひろの大予想 #05
カナダは政権交代、より保守的となり、アメリカと歩調を合わせる
トルドー氏は不思議ちゃんのお坊ちゃまにもかかわらず、なぜこれだけ長く首相を勤められたのか、七不思議の1つだろう。カナダはより保守化するアメリカと共同歩調を取り、北米を1つの括りとして世界の中でプレゼンスを出していくだろう。保守党が政権を取り戻すのは確実だ。
ひろの大予想 #06
中国経済の回復は苦戦、台湾問題は拡大せず
トランプ氏の強権政治で習近平氏は動きにくい。また中国の国内経済は消費が伸びず、若年層の失業率も高く、政権への不満はより高まる。そういう時は戦争など国民の視線を変えることでかわしたいところだが、台湾問題は一筋縄でいかず、習近平氏が思い描くような1つの中国を作り上げるのは遠い道のりになる。
ひろの大予想 #07
ウクライナの戦争もイスラエルの戦争も停戦
ウクライナ戦争は24年が比較的硬直した動きだったものがロシアに北朝鮮軍が加担したこと、トランプ氏のウクライナ支援への消極性から戦局は動く。またイスラエルもイランとの攻防に発展する中で戦争疲れとなる。戦争は環境が変化した時、思わぬ展開をするものだ。2つの戦争はいよいよ最終局面を迎え、停戦が視野に入るだろう。
ひろの大予想 #08
EVの売れ行きが再び上向き、日本でも見直される
24年、一時期売れ行きが伸び悩んだEVは再び売れ行きが伸びる。車は電気製品になり自動運転がより間近に迫る中で開発のベクトルはEVとIT・AI化と自動運転の相性の良さが指摘される。CO2削減という切り口ではなく、電動化に意味をもたせ、AIと車内空間の活用をテーマとし、自動車が自動車という範疇から飛び出すことになるだろう。
ひろの大予想 #09
AIの進化で人間が退化。若者のメンタル問題が顕著に
スマホは人間を楽にさせた。だが、AIは人間を確実に衰えさせるだろう。AIが働き、人々はベーシックインカムをもらうという発想が紹介されているが、人間が持てる能力に蓋をすれば社会における余剰な人間として扱われるリスクを顕在化させやすい。若者は人間チックな社会や組織に入り込めず、耐性もなく、メンタルヘルスに深刻な問題をきたすだろう。
ひろの大予想 #10
カナダに来る日本人の若者が激減
カナダも移民や外国人労働者を受け入れ過ぎたので制限を始めた。理由は人が多すぎるからばかりではない。住宅も足りないからだ。とはいえ、引き続きエントリーレベルの仕事は外国人労働者が担うはずだ。だが、政府がそれを絞ればカナダに夢を求めてやってくる日本人も絞り込まれる。ただでさえ物価が高いのに、日本人がカナダで海外生活をするのは容易くなくなるかもしれない。
全体を通じて言えることは昔の良き日は想い出となり、今の世界はSNSを通じた人間関係の中で社会を見通す時代になるということだ。私の様な昔を知る人間には寂しさがあり、若い人には今が当たり前に映るだろう。
今の当たり前が何十年かした時にも社会をきちんと作動させるために皆さんがそれに気づき、修正克服できるかにかかる。これからは皆さんの時代だ。是非とも我々の知っている時代より良い世界を築いてもらいたい。
了