世界女酒場放浪記 #05
日本酒利酒師 松本真梨子が行く世界女酒場放浪記
第5回「お酒の楽しみ方 不思議な1杯のグラスワイン 前編」

3回にわたり日本酒の作り方について真面目にお話ししたので、今月は小休憩…ざっくばらんにお酒の楽しみ方についてお話ししたいと思います。『酒を楽しむ』といっても人それぞれ。ワイワイ飲む雰囲気が好き、1人でカウンターでこだわりのお酒を飲むのが好き、人それぞれですね。私も大学生の頃は、コールでイッキをし皆で盛り上がりながらぶっ倒れた、そんな時代を通り過ぎ、社会人になる手前に芋焼酎の美味しさに目覚めてしまい、そこからワイン、日本酒…色々なお酒の味と食事とのマリアージュを楽しむようになっていきました。
そんな私がお酒人生始まって9年目、お酒の楽しみ方の衝撃的な体験をフランスボルドーでしたことがあります。
ボルドーには2回行った事があります。私事ですが、実は成城石井の接客の大会で2位を受賞し、駅ビルのルミネの接客大会で上位に入賞したことがあり、会社からご褒美旅行でワイナリー巡りをかねボルドーに行ったのが初めてで、その時は全てが感動!どうしても自分自身でワイナリー巡りをしたく、退職後、1人で葡萄畑を横目に自転車をこぎながら何蔵もまわったのが2回目。ボルドーはワインとアートが融合する街で、中心を離れると広がる畑の中にお城のようなワイナリー(シャトー)が点在するとても美しい場所です。
さてさて、それは、ボルドー市の路地裏ある小さなワイン博物館を訪れた時のことでした。かつてのワインカーヴ(貯蔵庫)を改築した博物館は、地下だけに少し薄暗く、内容はボルドーワイン産業の歴史が中心の30分もあればまわれる可愛らしい博物館で、最後に物販コーナーとワインを試飲できるスペースがありました。フランス語も英語もままならない私は(今思えばよく1人で行ったなぁと思います笑)そそくさと見終わり、ポストカードを手に取りながらお土産でも買おうかなと考えていると、少し小太りのフランス人が「こんにちは!試飲しませんか?」と日本語で話しかけてきました。『え!日本語話せるんですか?』仰天した私の顔を見て「昔、青森で日本語勉強してたんですよ」と答えてくれた彼は笑みを浮かべながらワイングラスを2つ取り出し、「さぁ、是非どうぞ…」とまず白ワインを私の前にさし出したのです。(後編へ続く)


松本 真梨子
築地生まれの江戸っ子。食にこだわるスーパーマーケット成城石井で8年間勤務し、本店のお酒担当主任兼副店長を経験。日本酒利酒師、ワインアドバイザー、ウィスキーエキスパート、テキーラマエストロの資格を持つ、自称ノム(呑む)リエ。2014年3月に渡加し、現在、昼は酒蔵CANADA、夜はKoyoi North Yorkで働く。





