玉露の楽しみかた|お茶コラム
寒い日が続きますね。寒い日は、温かいお茶が益々美味しく感じるような気がします。

一月往ぬる二月逃げる三月去る(いちげついぬるにげつにげるさんげつさる)ということわざを聞いたことはありますか?1月は行く、2月は逃げる、3月は去る。お正月から三月までは行事が多く、あっという間に時が過ぎてしまうことを表現しています。特に2月は他の月に比べて日数が少ないこともあり、他の月よりも慌ただしく過ぎ去ってしまう感じがします。そんな2月だからこそ、ゆったりと「お茶を一服する時間」を設けてみるのはいかがでしょうか。今月は、じっくりゆっくり丁寧にお茶時間を楽しんで欲しいという願いをこめて、「玉露」の淹れ方をご紹介します。
「玉露」は茶園の日光を遮断し、育てられたお茶です。この光を遮らせて栽培することを、覆い下(おおいした)栽培といいます。日光を防ぐことで、茶葉の光合成が阻害されます。この栽培方法で育った茶葉は、鮮やかな緑と、まろやかな旨味や甘みのあるお茶になります。手間暇かけて育てられた玉露。高級茶として認識されている方も多いのではないでしょうか。
通常、日本茶をいれるお湯の平均温度が80度なのに対して、玉露は50~60度前後のぬるめのお湯を使います。また、抽出時間と茶葉の量は、通常の倍です。

急須やティーポットで淹れることも もちろんできますが、「宝瓶(ほうひん)」や「絞り出し」と呼ばれる茶器は、持ち手のない急須で、最後の一滴までしっかりと注ぐことが可能なので、低温でじっくり淹れる玉露に適した茶器です。私はお茶を淹れる「茶器」も、「お茶時間」をより豊かにしてくれる大切な要素だと思っています。今日はどの茶器で飲もうか、とか、今日のお客様にはどの茶器を使おうか、などと考える時間がまた楽しいのです。お気に入りの茶器たちは陶芸家の手作りのものが多いです。作り手の想いがこめられた茶器を使って淹れたお茶は、より一層美味しく感じるような気がします。
私が好きな玉露の飲み方は、5gのお茶に対して50度~60度のお湯を100ml。約3分たったら最後の一滴まで丁寧にゆのみにそそぎ、一煎目を味わいます。凝縮された旨味のエッセンスを楽しみます。二煎目は温度をあげて、さっと1分弱。
上手にいれた玉露はとろっとした濃厚な旨味が何とも味わい深く、美味しいのです。三煎、四煎と楽しめますが、私は二煎目を飲んだあとは、炊きたての白いご飯の上に茶殻をのせて、お醤油を少し、、と、いりごまをパラパラとかけて いただきます。茶殻をそのまま美味しく食べれるのは、日陰で育った旨味成分たっぷりの玉露だからこその醍醐味です。

吉田桃代
Tea&Herbal Association Canada公認ティーソムリエ日本茶アドバイザー
日本茶のオンラインストア「Momo Tea」とお茶団体「Nihoncha Canada」を運営。Momo Teaは2015年からトロントのお茶の祭典、Tea Festivalや、日系文化会館の季節のイベントを中心に出店。2023から日本茶の良さをカナダの人に広めたいという想いを込めて、日本茶と日本の文化に特化した「日本茶祭り」を主催。毎年11月第一日曜開催予定。







