People.22 vol.19「Four Winds Music Fest」平山ななみさん|カナダで挑戦する若者
夏といえば、音楽フェスを楽しみにしている人も多いと思う。私もその一人だが、実はこれまでに一度しか行ったことがなく、特にキャンプも同時に楽しめるアウトドア系の野外フェスにはずっと興味と憧れがあった。そんな中、7月に仕事でFour Winds Music Festに行く機会が訪れ、念願のカナダでの野外フェスに参加することができた。このフェスは、オンタリオ州ダラム市近郊にあるRiverstone Retreatで開催された。そこは、森や川、キャンプ場など、広大な自然に囲まれた場所で、ワクワクが止まらなかった。
このフェスは毎年7月に開催されている。私が持つ夏フェスのイメージとは違って、とても過ごしやすい気候と爽やかな空気に終始癒されていた。私たちはその日、コテージに一泊させてもらい、もちろん仕事はちゃんとこなしつつも、最後までしっかり楽しむことができた。時間がある時に敷地内を散歩していると、音楽を楽しむ人たち、川で遊ぶ人たち、自分たちのテントを可愛く飾り、それぞれの時間を満喫する人たちの姿が目に入り、開催者でもないのに、それだけで心が満たされる自分がいた。また、スイカ切りすぎたから食べて~って小さい子供に声かけられた瞬間は可愛すぎて今でも覚えている。
一番心に残ってるのは、やっぱりメインの音楽ステージである。特にDonné Robertsのステージでは、前の方で音楽に合わせて踊りだす人たちや、後ろにいた人たちが自然と前へ集まり、皆で手を繋ぎながらリズムに乗ってる姿がとても印象的で、思わず笑顔がこぼれてしまっていた。日が暮れて真っ暗になると、ライトアップがとてもきれいで、さらに歌声が心に静かに染み渡るような感覚があった。自然と音楽にどっぷり浸れる空間が最高だった。
フェス全体がひとつの大きなコミュニティーのようになっていて、初めて会う人同士でも、音楽を通じて自然に打ち解け合い、笑顔で交流している様子が印象的だった。実は日本人の方ともばったりお会いして、とても嬉しかったのを覚えている。音楽が場を繋ぎ、人々の心を結びつける、その瞬間が本当に特別で、夏フェスと音楽の素晴らしさを改めて感じた。