People.24 vol.2「居場所を探す 私たちへ 映画「Akashi」がくれた希望」Hananoさん|カナダで挑戦する若者
アジア系クリエイターの作品を紹介する映画祭、『Toronto Reel Asian International Film Festival』、私はその中で『Akashi』(監督:吉田真由美)に出会った。カナダで暮らす女性アーティストが10年ぶりの帰省をきっかけに家族の記憶や自分自身のルーツと向き合う物語だ。
日本に戻った時に感じた周囲との距離や違和感、海外でアーティストとして生きることの厳しさ、そして色彩にこだわった繊細な演出。
会場には、カナダで活動する日系アーティストをはじめ、日系コミュニティーの人々が集まっていた。 背景はそれぞれ異なるはずなのに、物語のさまざまな要素に皆が自然とrelateしていたのだと思う。
上映が始まってすぐ、どこからか鼻をすする音が聞こえ、それは最後まで途切れなかった。 上映後に観客の表情を見渡すと、目を赤くした人たちがいくつもあり、この国で孤独や葛藤と向き合いながら生きている“仲間”の姿が重なって見えた。
続くレセプションパーティーでも、来場者たちは熱心に語り合っていた。それはまるで、これまで胸の奥に抱えてきた思いや経験がこの作品によって初めて肯定されたかのような安堵と喜びに満ちていた。
私自身、フィルムメーカーを目指してカナダに来た身だ。日本では「日本に馴染めないタイプ」と言われ、カナダに来れば「ちょっと日本人すぎる」と笑われる。 業界経験も豊富ではなく、いつも自分の立ち位置を探しながら、孤独や不安と向き合ってきた。けれど『Akashi』を観た夜、「明日から、少し違う空を見上げられるかもしれない」そんな希望が胸にあった。
カナダは簡単な場所ではない。 けれど、この国で挑戦する我々の物語は確かに存在し、その一つひとつが誰かの力になる。私もその中のひとりとして、前へ前へ進んでいきたい。














