People.24 vol.1「スクリーンの外のTIFF:ボランティアとして見たもうひとつの映画祭」Hananoさん|カナダで挑戦する若者
はじめまして。Hananoと申します。映画や舞台を世界からの視点で関わりたくて、ワーキングホリデーでトロントにやってきました。 そして今年、トロント国際映画祭(TIFF)のボランティアとして初めて参加し、スクリーンの外に広がるもうひとつの映画祭を体験しました。
ボランティアとして過ごす日々は、思いがけない出会いの連続です。毎日どこかの会場に立っているうちに、見覚えのある顔が増え、自然と仲間意識のようなものが生まれていきます。上映直前にRUSH LINEの人たちが入場できた瞬間を拍手で迎える時間もあり、観客の笑顔を見るたびに、映画を支える側としての喜びを感じました。
さて、「RUSH LINE(ラッシュライン)」と呼ばれる文化とは何か。これは、チケットが完売した作品でも、上映15分前にチケットホルダーが来なければその空席をもらえる制度。 そんなRUSH LINEには、独特の楽しさがあります。毎日のようにいろんな会場に並んでいると、自然と顔見知りが増えていき、どこか連帯感のようなものが生まれてくる。「おはよー、今日は何の映画狙ってるのー?」といった“挨拶”も交わされる。みんな映画が大好きだから、待ち時間の雑談も止まらない。お互いのおすすめ作品を語り合ったり、前日に観た映画の感想で盛り上がったり。チケットが手に入った瞬間にRUSH LINE仲間たちと走って会場に向かうのもなんだかんだで楽しいのです。そして映画が終わった後に「もう一本なにかみる?」と誘ってまたRUSHLINEに並んだり…TIFFのRUSH LINEは、ただの行列ではなく、“映画好きがつながる場所”。だからこそ、並ぶこと自体が、TIFFの楽しみ方の一つなんです。
TIFF全体を通して、気づけば映画をみていない時間も映画祭の一部になっていました。チケットが発売されたとき、すべて一瞬でSOLD OUTして私はTIFFを楽しむことを完全に諦めていました。しかしそこにはたくさんの楽しみ方がありました。映画はスクリーンの中だけで完結しない。 出会い、語り合い、笑い合うその時間こそが、TIFFのもうひとつの物語だと思うのです。















