People.23 vol.05「対話から考える音と詞について」Yuiさん|カナダで挑戦する若者
最近トロントで音楽好きと出会う機会が2回ありました。1人はローカルのライブハウスに毎週のように赴きインディーズを愛する人と。もう1人はトロントに住みながら活動する作曲家と。
インディーズを愛する彼とは一緒にライブへ行き、作曲家の彼女とは近年の音楽や将来について熱く語りながら気づけば夕方から次の日の朝まで飲んでいました。トロントで音楽の方向性は違えど同じ熱量を持った方と出会うのって中々簡単ではなく、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
そして面白いことに、2人と共通の話題が上がりました。「音楽(歌)は詞が重要か、音が重要か」
なぜこんな話になったか。海外に住んでいると、お店の中でもタクシーでも、あらゆる生活場面で必然的に日本の楽曲を聞く機会が減ります。そうすると歌詞を理解するより前に音や声色に反応することが目立つようになりました。「あ、この雰囲気好きだな」と。そしてshazamして後からSpotifyやYouTubeで調べるのですが、あくまでそれは日本以外の楽曲。JPOPや邦ロックを聞くと、どうしても音と同列に歌詞も重要視してしまいがちな傾向があります。なんなら音が好みじゃなくても歌詞に感銘を受けいつのまにか大好きな曲になった、なんてこともあるんじゃないでしょうか。一方で音や声に惚れて色々調べると、まったくトンチな事を歌っているなんてこともある訳です。TikTokを見ているとテンポやリズムの方が重視される傾向があるように思うので、必ずしもバズ(流行り)=良い音楽、とは限らないですよね。
こうやって考えると、日本の楽曲を「消費」ではなくアーティストとして、ちゃんとした1つの曲として海外に広めるためのツボってどこだ~?と最近悶々としています。やはり言語の伝わらない海外では音が最初に重要視されるでしょう。ただそこから消費で終わらず定着させるには、後から詞の方が大切になってくるだろうな、と思います。そして近年北米でヒットしている日本人アーティストを見ると、やはりコンセプトもめちゃめちゃ大事だなと感じたり…。考えが尽きませんが、こんな話をトロントで語れる友人ができて非常に嬉しい限りです。皆さんはどっちですか?ちなみに2人は「音」重視でした。