「NAJC(全カナダ日系人協会)」 総会と「北米国際よさこい祭り」 アルバータ州レスブリッジ市|カナダ新移住者とトロント日系コミュニティー | カナダニュース報道局
2025年9月26日から28日にかけて、アルバータ州レスブリッジ市にて、「NAJC(全カナダ日系人協会)」の総会にあたる全体会議が開催され、私はNAJC傘下の「JNIC(新移住者委員会)」の委員長として参加しました。最終日には、JNIC主催で、トロント県人会連合会、ジャムズネットカナダ、JSS、カナダ日本人看護師会、IKITOGOといったヘルス・ウェルネス関係団体と連携したハイブリッドセッションが行われ、本セッションは新移住者を対象としたため、すべて日本語で実施されました。
日系カナディアンが中心のNAJCのカンファレンスにおいて、日本語のみのプログラムで最終日を締めくくるのは初めての試みであり、新任のNAJCエグゼクティブディレクター、キャロライン石井さんのリードのもと実現しました。また、在カナダ日本大使館からは山野内大使にもご挨拶をいただきました。
ところで、ここで使われる「移住者・新移住者」という言葉について、個人的にはあまり好ましく思っていません。しかし、日系社会においては、歴史的背景を持つ日系カナダ人と、私たちのように戦後日本から来た日本人は共に共存しており、その違いを尊重するためには「日系人」と「移住者」という呼び方で区別せざるを得ないのも事実です。それでも、カナダ社会全体から見れば、私たち移住者もまた日系人であることに変わりはなく、その意識は時間を経て、多くの人々の活動を通して共有されつつあると感じます。25年前に私がトロントに来た当時と比べても、大きな変化を実感しています。
同じ週末、レスブリッジでは北米初となる「北米国際よさこい祭り」が日加友好ガーデンで開催されました。トロント県人会連合会を代表して現地に来てくださった副会長であり、新潟県人会会長のプオポロひろこさんと一緒に、総司会を務める田中えみこさんを応援しに駆け付けたところ、私たち二人は思いがけず大きな衝撃を受けました。そこには、よさこいに魅了された多くの人々のエネルギーが溢れ、心をひとつにしてその瞬間を楽しむ力が満ちており、屋外でありながら無限に広がるような希望に満ちた空間が広がっていました。
今回、NAJCの総会がレスブリッジで開催された背景には、戦時中に日系人が強制的に移住させられ、この地で暮らした家族が少なくなかったという歴史があります。総会のテーマは「繋がり」。過去から現在、そして未来へと続く日系人の歴史の中で、今を生きる私が過去から受け取ったバトンを未来へとつなげていくことの大切さを、あらためて感じました。そのバトンを受け取るかどうかは、未来を生きる彼ら自身の選択に委ねられます。しかし、少なくとも私は、そのつながりを守り、未来へ手渡していけるよう努力したいと強く思う週末となりました。

文章=原あんず
トロント都道府県人会・連合会会長
全カナダ日系人協会(NAJC)
新移住者委員会(JNIC)委員長








