ワインビギナーのためのワインの基礎知識
1:ワインの起源
2:ワイン生産量・消費量
3:ワインの種類と作り方
4:ブドウの種類
5:味の要素
1.ワインの起源
-ワインは歴史の中でも最も古いお酒のひとつ。
紀元前4世紀頃にはシュメール人によるワイン壺の封印ロールシールが発見されています。紀元前4000〜5000年頃の出来事を記録している物語「ギルガメッシュ叙事詩」のなかにもワインの記述がされています。紀元前3100〜1500年にはエジプト王朝のピラミッドの中の壁画にぶどう栽培やワイン醸造の絵が描かれており、紀元前1700年頃の「ハンムラビ法典」にはワイン取引の記述があります。紀元前600年ごろにはフェニキヤ人(元シリア)によって南フランスのマルセイユにも伝えられその後ローマ帝国の勢力拡大と共にヨーロッパ各地へ広められました。ローマ時代にはワイン製造の技術進化があり、この時代に製法の基礎が画一されました。日本でワイン醸造が始まったのは明治時代以降であり、山梨県において山田宥教と詫間憲久の二人よって現在のワインの醸造を行ったのが初めてだとされています。
2.ワイン生産量・消費量
-日本人の平均消費量は1年間に2本強。
生産量
ぶどう栽培の可能な地域は年間平均気温10〜20℃の北緯30〜50度、南緯20〜40度です。主な下記の生産地を始めぶどう生育地域にあたる約60カ国からワインが合計約2800万キロリットル生産されています。近代以降にワイン造りが始まった地域はニューワールドと呼ばれています。
世界ワイン生産量 – 約2.8億ヘクトルリットル(※)
(ピークは1980年代前半 3.3億ヘクトルリットル) ※1ヘクトルリットル=1000リットル
3.ワインの種類と作り方
-ワインはの種類は赤・白、ピンク色のロゼ・発泡ワインのスパークリングの4つ。
赤ワインは黒ぶどうを潰し果皮や種子と共にタンクにいれられ酵母を加えて発酵させます。28〜30℃で約1週間発酵させ十分に色が出たらタンクの底からワインを引き抜き圧搾してワインを取ります。出来上がったワインは1〜2年熟成されます。
白ワインは白ぶどうとよばれる緑色ブドウや淡いブドウを使用し絞って果汁を集め15〜20℃で約2週間発酵させます。発酵を最後まで行ったものが辛口で途中で止めて糖分を残したものが甘口。タンクで熟成させ早くのむタイプと樽で熟成させるタイプがあります。樽の熟成は赤ワインより短く、約6ヶ月です。
ロゼワインの醸造法は3つあります。マセレーション法とは発酵の初期段階まで赤ワインの醸造法と同じように行い果汁を白ワインと同じ方法で発酵させます。直接圧搾法とは黒ぶどうを圧縮し淡いバラ色の果汁を搾取し白ワインと同じ方法で発酵する方法です。最後に混醸法とはちょうどバラ色になるように、あらかじめ赤ワイン用のぶどうと白ワイン用のぶどうを混ぜて発酵させます。
スパークリング・ワインは第一次発酵を白ワインと同じように行い、畑の違うワインや品種の違うワインなどを混合し、さらに古酒を混ぜて糖分と酵母を加え瓶詰めにして発酵させます。発酵によって生ずる炭酸ガスがワインに溶け込み発泡性ワインになります。
シャンパンとはフランスのシャンパーニュ地方特産のピノ・ノワール(Pinot Noir)、シャルドネ(Chardonnay)、ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)アルバンヌ(Arbanne)、プティ・メリエ(Petit Meslier)、及びピノ(Pinot)系の全て、を材料として醸造されたスパークリングワインのことです。シャンパーニュ方式と呼ばれる瓶内二次発酵はドン・ペリニヨン神父が確立したと言われています。
4.ブドウの種類
-主要な銘柄をご紹介致します。
赤ワイン品種リスト
Cabernet Sauvignon
-カベルネ・ソーヴィニョン
コク、渋みが強いフルボディータイプ。果皮のタンニン分が多く、強い渋味のある濃厚なワインとなる。肉料理との相性は最高です。
Cabernet Franc
-カベルネ・フラン
カベルネ・ソーヴィニョンの亜種。ブレンドされて用いられることが多く、カベルネ・ソーヴィニヨンに近いです。しかしそれに比べて酸味や渋みが少なく、ソフトで繊細さを持つなカベルネ・ソーヴィニヨンという印象です。こちらもお肉料理と相性が良いです。コク、渋みが強いフルボディータイプ。果皮のタンニン分が多く、強い渋味のある濃厚なワインとなる。肉料理との相性は最高。
Merlot -メルロ
果実味が豊かで、カベルネと比較してタンニンは柔らか。ポスト・カベルネのブドウ品種として、カリフォルニアやチリなどのニューワールドで栽培面積が広がりました。カベルネ・ソーヴィニヨンに比べてマイルドなメルロには、肉料理においても少しマイルドなものが適するようです。カベルネ・ソーヴィニヨンがステーキならこちらはハンバーグといったように。
Syrah -シラー
スパイス系の辛味が多品種よりも強く、またアルコール分も高 いです。重厚さよりもフレッシュさに重心があり、カベルネ・ソーヴィニヨンほどの重さはありません。スパイシーな個性をもつ食材や料理との相性が良く、アジア料理やエスニック料理にも使いやすく、またゴーダチーズなど癖のあるものとも相性は良いです。
Pinot Noir-ピノ・ノワール
渋みよりも酸味、そして果実味が中心の味わいです。栽培が難しくニューワールドでの栽培は試行錯誤が続きました。香りの美しさを楽しむワインですが、意外と食材の香りと混沌とすることが少なくお肉とも相性は良いですが、白ワインを塩コショウ・レモン系の魚料理にも会います。醤油との相性もGOODです。
白ワイン品種リスト
Chardonnay -シャルドネ
カベルネ・ソーヴィニョンを赤ワイン用品種の王ならば白ワイン用品種の王は間違いなくこのシャルドネ。シャープな辛口のものからまろやかなコクをもつものまで様々で果実味をその中心的な風味としています。バターの旨みを感じる料理との相性にも長けており、焼き魚との相性も良いです。
Sauvignon Blan
-ソーヴィニョン・ブラン
青草、若草の香があり、優れたものはここに果実の個性が感じられる全体的に強いアロマを感じさせます。最も和食に適しているともいわれ特にシャケやアユ、貝類などの相性はとても良いです。
Semillon -セミヨン
単一で使用されることは極めて少なく、普通 はソーヴィニョン・ブランとブレンドされます。甘口も辛口も酸味が少なく野菜料理や和食などの個性の薄い料理の魅力を邪魔することはありません。
Pinot Gris -ピノ・グリ
ピノ・ノワールの突然変異種です。赤色の果実ですが、白ワインの品種です。力強い個性は、白ワインながら味わい豊かない肉料理やきのこ料理、リゾットなどと合います。また秋の料理と合うと言われています。
Riesling -リースリング
ドイツにおいて最も重要な地位を占める白ワイン用ぶどう品種です。味わいは白い花・はちみつとよく例えられます。一般的にはポークのグリルにマスタードソースを添えたお料理などに合うと言われています。
5.味の要素
甘口
甘口辛口の違いはワインに残っているぶどうの糖分の違いが主。しかしワインの甘みは単に糖分の量だけで決まるものではなく、酸味とのバランスによって感じ方が異なります。
辛口
発酵を最後まで行ったものが辛口と呼ばれ、その意味は辛口とは「甘さが控えめ」「甘さがほとんどない」という意味。香辛料の辛さとは違います。
コク
ボディという言葉でよく表現され「ワインの厚み・ふくらみ」を意味します。ボディは軽いものからコクのあるものまで順に、ライトボディ、ミディアムボディ、フルボディと表現されています。