カナダワインの魅力 #04
#04 Red Paw Pinot Noir 2012
こんにちは!カナダ産ワインのインポーター、ジェイミーです。今日はナイアガラ地方で育てられている赤ワインのブドウ品種について、ご紹介したいと思います。
ナイアガラ地方では、赤ワインも様々な品種が栽培されていますが、ちなみに、なぜ同じ地域内に様々なブドウ品種が栽培されるのでしょうか?その理由の一つは、気候や地形、土壌の質等の条件によって、栽培に適するブドウ品種は異なることが挙げられます。上記のような気候、地形、土壌等を含むブドウが生育する環境全体のことを「テロワール(フランス語で“Terroir”)」とワインの世界では呼ばれていて、ワインを造る上で大切に考えられている概念の一つです。ひとくくりに「ナイアガラ地方」と言っても、この地は多様なテロワールが存在します。例えば土壌をとっても、この地は氷河期に侵食を繰り返したことから、様々な性質の土壌で形成されています。また、湖や川があったり、平地であったり傾斜面があったりと、多様な地形に恵まれています。ナイアガラではテロワールという概念を大事にする造り手が多いことでも知られ、畑ごとに適する品種を選んで栽培しているのです。
さて、ナイアガラの赤で特に栽培量が多い品種は、カベルネフラン、ピノノワール、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シラー、ガメイノワールなどです。冷涼気候を好むカベルネフランやピノノワールは、ナイアガラの地と特に好相性です。
☆ カベルネフラン(赤):カベルネといえば「ソーヴィニヨン」を連想する方が多いかと思いますが、カベルネフランはソーヴィニヨンの先祖と言われる品種。ソーヴィニヨンと比べるとやや軽めで、ベリー等の豊かな果実味にシルキーなボディが特徴。赤のアイスワインもこの品種から造られます。
☆ ピノノワール(赤):ナイアガラは“気難しいブドウ”と呼ばれるほど繊細なピノノワールにとって理想的な、冷涼気候、ミネラル分豊富な石灰岩質の丘陵地が揃っており、質の高いピノノワールが造られています。
今月のおすすめワイン
レッド ポー ピノノワール 2012 (コヨーテズ ラン エステート ワイナリー)
Red Paw Pinot Noir 2012 (Coyote’s Run Estate Winery)
ナイアガラ地方にあるワイナリー。「Red Paw」と「Black Paw」と名づけた二つの隣り合う畑を所有しており、それぞれ赤土・黒土の全く異なる土壌を有しています。土壌の違いの影響で、出来上がるワインの味わいは異なり、テロワールの違いを感じるのにはおススメの醸造元の一つです。ちなみに、Red Paw(赤土)畑産はよりしっかりした果実味や花のような香りが、Black Paw(黒土)は、よりリッチなボディで、土壌やスモークのような風味が現れるのが特徴です。
ジェイミー・パクイン(Jamie Paquin)
オンタリオ州出身。2005年より日本在住。「日本のワイン愛好家の方々にも、ぜひカナダ産ワインを味わってもらいたい!」という思いから、2011年より輸入・販売を開始。
カナダ産ワイン専門店 Heavenly Vines(ヘブンリー・バインズ)
カナダ国外で唯一のカナダ産ワイン専門店。ジェイミー自らが厳選した、品揃えが自慢。現在約35のワイナリーのワインを輸入。東京都渋谷区恵比寿南2-29-5
heavenlyvines.com