Food Share レポート
誰もが良質で健康によい食材にアクセスできる権利とは…
Food Share レポート
ダファリンモールの近くにある非営利団体Food Shareは誰もが良質で健康によい食材にアクセスする権利があるという言葉をモットーに1985年から活動を続けている。多岐にわたる活動のうち、ほんの一部を紹介する。ちなみにほぼ全てのプログラムにおいてボランティアが活躍している。 foodshare.net
■ Student Nutrition
特に貧困層の多い地域の小中高校で朝食、スナック、昼食を給食形式で提供している。ある650人の生徒を抱える小学校では、スナックは幼稚園を含む全校650人分、朝食は60食、昼食は250食が毎日提供されている。費用はトロント市からの助成金と保護者からの寄付で賄われている。昼食を持たずに来る子供たちや、チップスやクッキーを昼食代わりに持たされて学校に来る子供たちを見たPTA委員がFood Shareへ協力を依頼したのが始まりだ。子供のお腹を満たすだけでなく、自身の学校通い、育児、複数の仕事等を同時に抱える保護者の朝の負担軽減にも役立っている。
■ Field to Table Schools
食育プログラム。子供たちの食べ物に対する興味や感謝の気持ちを野菜を育てたり、料理をすることで意識してもらうことを目的にしている。小学校の校舎屋上に菜園を作ったり、ファーマーズマーケットに出品できるほどの本格的な野菜作りを高校で教えている。ある高校では畑の他に、水槽に100匹の魚を買い、魚の糞を肥料にした水耕栽培でレタスやハーブを年中栽培している。土づくりから手入れ、栽培した野菜の料理、販売まで一貫してサポートしている。シイタケの栽培を指導した学校もあるそう。教師向けの研修も行われている。
■ Mobile Food Market
徒歩で買い物できる場所が限られている地域への移動式マーケット。高い家賃が理由で地理的に不便な場所に住む人々に新鮮な食材を届ける。経済的に困っていなくても、小さい子供のいる単親家庭、新移民者、高齢者、障害者にとっては近くで買い物できないということは大きな問題だ。
■ Good Food Box
8〜10人の利用者が集まれば個人宅、職場、保育所、コミュニティセンター等を拠点に野菜や果物の詰め合わせボックスを配達してもらえる。週1、隔週、月1回の頻度で利用できる。ボックスの中身は予め分かるようになっているが、中身を変えることはできない。中身は通常野菜と果物の詰め合わせの他に、オーガニック、果物のみ、カットフルーツ/野菜の選択肢がある。値段は13〜34ドル。