トロントの魅力を今こそ感じよう!BUY LOCAL|特集「ニュースがヒント」
パンデミックそして繰り返されるロックダウン、ローカルビジネスは苦境に立たされている。「Bye Local or Buy Local」というキャッチフレーズも見られる今、トロントにあるショップの工夫した取り組みや商品を紹介していく。
01
ありそうでなかった「本」の福袋
トロントに3店舗を構える「Type Books」。電話で注文して、当日中に受け取れるカーブサイド・ピックアップを実施している。また、注目を集めている試みとして、本の「福袋」のような「ミステリー・バッグ」がある。好きな本はもちろんのこと、本を知り尽くした店員が選んだ本が「詰め合わせ」のようになったバッグを100ドルで購入することが可能。購入方法は簡単。ホームページにあるアンケートに答えるだけで、本の好みをすぐに判断。その好みを基に本を選んでくれるという。一つの袋に大体4〜5冊入っている。プレゼントにもおすすめしたい商品だ。
typebooks.ca
02
頑張っている自分に祝福の一杯を
トロントのアッパー・ビーチのエリアにある「レッド・テープ・ブルワリー」。2020年の12月2日に営業開始したこの場所では、オーダーメイドのビールを製造しているという。
客のニーズに合わせた「オンリーワン」のビールを醸造している「レッド・テープ・ブルワリー」。当初は2020年の前半に開店を予定していたものの、新型コロナの影響で延期せざるを得なかったそうだ。
開店して醸造したビール第一号の名前として選んだのは「That Was Easy」(簡単だった)。コロナによる苦境を逆手に取るかのようにこの名前にしたという。「みんな頑張っている」という意味を込めたかった、と語るオーナー。「頑張った一日の最後に自分を祝福するようにこのビールを飲んで欲しい」とコメントしていた。
redtapebrewery.com
03
「レコード掘り」をオンラインで体験
クイーン・ストリートに店舗を構える、その名も「Tiny Record Shop」。レコード店の醍醐味と言えば、店内のレコードを「掘る」ことなのではないか。しかし、多くの店舗が一時休業を強いられている中、それはしばらくお預けとなってしまった。
そんな中、このレコード店はインスタグラムのアカウントを通して「バーチャル掘り」を実施。まるで自分が「掘っている」かのような感覚を味わえる。また、お気に入りのレコードが見つかった際には自宅に届けてくれる。トロント市内であれば配送料は無料とのこと。さらに驚きなのが、このレコード店のオーナーの一人は現在も医療現場の最前線で奮闘している医療従事者なのだとか。
tinyrecordshop.com
04
クリスマス・マーケットを失ってしまった今
ディスティラリー・ディストリクトに店舗を構える「Gotstyle Menswear」。通常はクリスマス・マーケットで多くの買い物客や観光客を迎え入れているものの、今シーズンはそういかなかった。Global Newsの取材によれば、クリスマス・マーケットでの売り上げは一年の中でも大部分を占めるのだとか。それを失わざるを得なかった今年、Gotstyle Menswearは新たな方法に挑戦。画面越しに接客を受けながら買い物を楽しむ「バーチャル・ショッピング」だ。トロント東部に店舗を構える家具店「Skaut Design」でも同じく、店員のアドバイスを聞きながらオンラインで店内を巡ることが可能なオンライン・セッションを開催中。
05
家でほろ酔い「はしご」気分
コロナの感染拡大や非常事態宣言により、酒類が手に入る店の種類が増えたり、デリバリーで酒類を注文することが可能になったのは多くの人にとって嬉しいニュースだったのではないか。その中でも、幅広い種類のビールをはじめとしたアルコールを楽しめると話題になっているのが「Bar Hop Bar」だ。「Bar Hop」が意味する「はしご」をこの店だけで楽しめる。Bar Hop Barはその中でも他店でもなかなか手に入らないビールを多く提供しているのだとか。現在はSkip the Dishesやウーバーイーツでも注文を承っているということなので、これを機に様々なビールを試してみるのもおすすめしたい。
barhopbar.com
06
トロントの「詰め合わせ」
トロント市内の多くの店が臨時休業に追い込まれている中、トロントを一つの「袋」に詰めた「Bag of Toronto」が注目を集めている。この企画の第一弾が行われたのは、非常事態宣言が言い渡された4月ごろから6月ごろまで。当初は、企画者が住んでいる近辺の店が販売している商品の「詰め合わせ」のようなものを作るというのが趣旨だった。しかし、あまりにも人気だったため、「第二弾」として12月ごろに復活。第二弾では、トロント市内にある5つのコミュニティの「バッグ」が販売されたそうだ。2020年の12月初旬時点の収益はなんと10万カナダドルにも上るという。「第三弾」が行われるかは現時点では未定だが、多くの人が「Bag of Toronto」が再び復活することを願っているのではないか。
07
ウィンドウショッピングの新たな活用方法
トロント市内に複数の店舗を構える「Coal Miner’s Daughter」。この店は、主に地元カナダのデザイナーが手がけた服やをアクセサリーを展開している。コロナの感染拡大を受け、「Coal Miner’s Daughter」は様々な工夫を凝らしているそうだ。Now Torontoの記事によれば、店舗の「ショーウィンドウ」を頻繁に「更新」。まるでSNSのアカウントを見るかのように、ウィンドウショッピングを通して最新の品揃えやおすすめを把握することが可能なのだとか。もちろん、おすすめの商品はインスタの公式アカウントでも随時更新されている。
coalminersdaughter.ca
08
「新常態」に対応したワイン専門店
トロントを中心にサービスを展開している「Grape Crush」。ワインを中心に扱っている酒類専門のオンラインストアで、なんと200種類以上の商品を提供している。中には珍しいお酒も多く、一つ一つの商品には味や物語などの丁寧な説明が添えられている。また、サイト内には「Support Local」と呼ばれるコーナーも設けられていて、その中にはナイアガラ周辺で醸造されているワインや地元のブルワリーが製造しているビールなどが多く展開されている。また、9月ごろには「Grape Crush」がバーチャルの世界から飛び出し、リアルの店舗にて営業を開始。メニューは全てQRコードでスキャンして見るなど、コロナによる「新常態」への対応もバッチリだそうだ。
grapecrush.wine
09
ウィンドウショッピングで季節を味わう
今回のロックダウンで打撃を受けた中小企業の支援に奔走しているのが「BIA(Business Improvement Areas)」と呼ばれる地域団体のような役割を果たす、特定のエリア内の事業者の集まりだ。
一つ目に紹介したいBIAはキャベッジタウンのBIAだ。ここでは、クリスマスを新たな形で祝うべく「Deck the Holidays」を開催。キャベッジタウン界隈の店舗がそれぞれのショーウィンドウをクリスマス仕様にデコレーションし、道ゆく通行人を楽しませる、というイベントだ。
小売店などが臨時休業を迫られている中、「外からだけでも街を楽しんで欲しい」という思いから実現に至ったという。これから先、どのようなクリエイティブなイベントが開催されるか注目したい。
10
地元のアーティストを支援
トロントに店舗を構える「Likely General」は地元のアーティストの作品を中心に幅広い品揃えを誇っている。特に女性やマイノリティのアーティストの作品を多く扱っているのだとか。他ではなかなか手に入らない作品も多く、地元にも多くのファンが存在している。
ロックダウン中はカーブサイド・ピックアップはもちろん、配達もなんとカナダ全土で行っているというから驚きだ。実際、第一回目のロックダウンの際に大好評だったため、今回もロックダウンという状況にめげることなく買い物を楽しんでもらうために工夫を凝らしたとのことだ。
また、インスタグラムの公式アカウントでは店で扱っている幅広い作品が随時更新され、紹介されている。
likelygeneral.com