留学カウンセラーが説く留学の心得 Vol.29
ワーホリで現地で働くにあたり多くの方から 「まだ自分の英語力だと不安なので日本食レストランの仕事くらいしかできないですか?」、「日本食レストランだとあまり英語を使う機会もないので、英語を伸ばすことはできないですか?」、「自分の英語力でも仕事を見つけることができますか?」、と言ったようなジレンマについて相談を受けたりします。現地でいよいよ仕事を始めるという時になって、実際に自身の英語力が通用するのかどうかが急に現実的なものになってくるのです。
仕事探し編4:ワーホリの仕事で英語力を伸ばせるかは自身の捉え方次第と心得ましょう。
ワーホリにおける仕事に対する目的などは人それぞれ異なると思いますので、これらのような相談を受けても答えに困ることがあります。ワーホリ中はどんな仕事でもよいのでできるだけバイト代を貯めてカナダ国内や近隣国への旅行代に充てたいという方もいますし、ワーホリを利用して現地の人と一緒に働く経験を積んで自分を試したいという方もいます。また中にはワーホリで来たものの資金をほとんど持ち合わせておらず何でもよいから仕事を見つけないと生活ができない、という状況の方もいて驚かされることもよくあります。英語は全くできないけどお金もないので学校は行かずに仕事を早くに見つけて仕事場で英語力をつけていくつもり、と堂々と口にする方もいますがこれは正直「一体何をしにわざわざカナダまで来たのでしょう?」と疑問になります。バイトでお金を稼ぐことなら日本でのほうがもっと簡単に仕事が見つかるでしょうし、そもそも英語力が全くなければ英語を使う環境の職場に採用されるはずもなく、そうなったら仕事場で英語力をつけられるわけがありません。
また実際に現地でアルバイトをみつけ働き始めると、今度は「日本食レストランでサーバーの仕事で英語の接客はしているけれど、毎回決まった表現やセリフしか使わないのであまり英語力が伸びていない」と言ったり「スタッフがみんな日本語を使うので英語力が衰える」と言う台詞も聞きます。その逆に、「英語環境で同僚もみんなカナダ現地の人で日本語は使わないので自分の英語力の足りなさを痛感して仕事が辛い」という方まで出てきます。
この様な例をみると、いずれにしてもワーホリでの仕事で英語力が伸ばせるかは自分自身でその仕事環境をどう捉えるかに委ねられると感じます。日本食レストランでも接客時に英語を使うのであれば、いつも同じようなセリフを使うのではなくもっと自分で工夫をしてよりよい英語の接客ができるように努力することでより力がつくのです。周りの同僚が英語を使わなくてもお客様や取引先などで英語の対応が必要な際にその役目を買って出ることはできるはずです。全く英語がわからない状態では何もできませんので最初に学校にしっかり行くべきです。
仕事先で英語を身につけるというのではなく、まずは学校でInputしたものを仕事場ではOutputするものなのだと捉えるべきといえますね。
East-West カナダ留学センタートロント社代表
大学卒業後2001年に語学留学でトロントに渡来。語学留学とビジネススクール、ワーホリなどを経たのち、ジョージブラウンカレッジに進学。 成績上位者Dean’s Honour のタイトルを得てPost-Graduate Diploma取得。カレッジ卒業後、現職に就き就労ビザを経たのち永住権取得。カウンセリングした留学生は延べ1千人以上にも及ぶ。
HP: www.eastwestcanada.jp