留学カウンセラーが説く留学の心得 Vol.30
ワーキングホリデーで仕事探しをしている人や、すでに何か仕事をしているのだけれど別の仕事を探していたり、最初の仕事を辞めることになり新たに仕事探しを振り出しから始めたようなタイプの人などからよく聞かれる質問が、「ビザの期間があと半年を切ると、仕事が全く見つからなくなると聞いたのですが本当でしょうか?」というものです。
確かにサイトにポストされている求人の内容を読んでみると、ビザの期間が半年以上ある人、という条件を掲げているものも多く見受けられます。ただ、これは必ずしも半年以上の期間のビザがないと絶対に無理、と決めつけてしまうことには少し疑問を感じます。
仕事探し編5:ビザの期間が残り半年を切った際には残りの過ごし方について見つめ直す機会と捉えましょう。
ワーキングホリデーで働くことができる期間が短くなっている中、思うように仕事が決まらなかったりやりたかった事ができていないことなどに焦りともどかしさばかりを感じ、満足いく行動もできないままスルスルと日が過ぎて、結局ワーキングホリデーで描いていた夢や目標を諦めたり、置かれた環境を悔んだりして残りのカナダ滞在期間をうやむやな気持ちのまま過ごしてしまうような方も沢山見てきました。この中にはビザの期間がまだ半年あるのに「もう半年しかないから難しい」と勝手に思い込んで最初から挑戦することさえも諦めてしまうような人も多くいます。
ただ、実際にはたとえ雇用主側が、ビザは半年以上ある人優先、と言っていたとしても、ビザが半年未満でもやる気とスキルがしっかり備わっていてすぐにでも戦力になりそうな人材であれば、ビザがまだ長くあってある意味“ハングリー”さに欠けいつ辞めると言い出すかも分からず仕事もちっとも覚えそうにない人材を雇うよりも、ずっと得なわけです。ビザの期間がどんなに長くあったとしても仕事ができなければ3日で解雇されることもあるわけです。それよりも、ビザの期間が半年未満になっていたとしても、きっちりと仕事をしてくれる人を雇えるほうが雇用主としては効率が良いはずです。仕事探しの際にどうしても仕事を得たいと思うのであれば雇用主に、ビザの期間に関係なく今すぐに雇いたいと思わせるくらいのアプローチをして全力で仕事獲得への努力をすべきです。
またそもそもワーホリの目標が仕事ばかりではなく、例えばボランティアやファームステイに挑戦したい、バックパッカーで広い国土を旅して周りたい、何か習い事をしたい、などといったものや、帰国前にもう一度学校でスキルを磨き直したい、というようなものがあるのであれば、これを機にそういった事に挑戦することに焦点を当てるべくプランの軌道修正をする事も必要かもしれません。
ビザの期間が半年を切ったというのは、言い換えればまだ半年弱あるのです。まだまだ自分らしいワーホリ体験を充実させ、「自分だけのワーホリやり切ったぞ」と満足できるチャンスはいくらでもあると意識を切り替えていくことが一番大切な作業かも知れませんね。
East-West カナダ留学センタートロント社代表
大学卒業後2001年に語学留学でトロントに渡来。語学留学とビジネススクール、ワーホリなどを経たのち、ジョージブラウンカレッジに進学。 成績上位者Dean’s Honour のタイトルを得てPost-Graduate Diploma取得。カレッジ卒業後、現職に就き就労ビザを経たのち永住権取得。カウンセリングした留学生は延べ1千人以上にも及ぶ。
HP: www.eastwestcanada.jp