カナダ・ハリファックスの余り知られていない観光場所 | H.I.S.オススメ オトナの旅
先月号ではハリファックスとノバスコシア州で王道な観光名所を紹介したが、今月は余り知られていない場所を紹介したいと思う。
まず紹介するのは、ノバスコシア州チェスターに位置する、神奈川県江ノ島の約1.5倍ほどの面積ほどの〝オークアイランド(オーク島)〟。昔はこの近辺でも海賊が多く、数百年前に黄金や財宝が隠されたという夢のような伝説が残っている。
1790年代オークアイランドの少年たちが遥か昔に掘られたであろう穴の跡を発見し掘削をしたところ、オーク材の丸太が出現(海賊船の一部ではないか?と言われたそうだ)。しかし何らかの事情で掘削は中止。しかしそれから数年後、不思議な文字が刻まれた石板が発見される。そこには、更に掘ると財宝が埋められている、というようなメッセージが刻まれていたと言われ、掘り続けるとある地点から水が浸水するようになり二度目の掘削断念。
その後も約200年近くにわたり、何人かのトレジャーハンター達が億万長者を目指して財宝探しにチャレンジ。そして2013年頃から数回にわたり、アメリカのテレビ番組がオークアイランドの財宝探し特集を組むなどするも、掘削地点での浸水により難航。未だにオークアイランドの黄金、財宝は見つかっていない。
また一説によると、先のトレジャーハンターは6人、誰も生きて戻ってきてはないと言われているそうだ。更に怖い事に、7人の犠牲者が出ると財宝が出てくる、とも言われているという。まだ7人目の勇者は出てきていないが、某アニメのように海賊になって、お宝探しをする人物が今後出るのか気になるところだ。
お宝や財宝の次は少し歴史的な場所「グラン・プレ(フランス語で「大牧草地」)」を紹介したい。皆さんは今まで「アカディアン」という単語を耳にしたことがあるだろうか?彼らは17世紀にヨーロッパから北米大陸に移住してきたフレンチ系植民者のグループで、この地に根を下ろし農地として開拓、後にこの地はヨーロッパからの主要な入植地の1つとして成長させた。
しかし、これだけ資源が豊富で肥沃な田園地帯になった土地の覇権争いに目を付けたのが英国だった。アン女王戦争や様々な戦いの舞台となったグラン・プレは結局英国の領土となり、アカディアンはケベック州やアメリカへ追放されてしまう。この歴史的な戦いや背景、そして切ない恋の物語が描かれた「エヴァンジェリン・アカディア物語」という本に登場する主人公、エヴァンジェリンの彫刻銅像は人気のスポットであり、この美しいグラン・プレの景観は2012年にユネスコの世界遺産に登録されている。訪れた時はあいにくの曇り空で良い写真は撮れなかったが、青空と緑が映える美しい田園風景は容易に想像できる。
またグラン・プレは風景だけではなく、ワイナリーとしても有名であり、ここノバスコシアでしか販売されていないワインなども魅力の1つだ。ワイナリーではもちろん、試飲が可能なので是非楽しんでいただきたい。またナイアガラ地域で有名な「アイスワイン」もここグラン・プレで商品化をしているが、ナイアガラの物とは少し異なり甘味が少ない(作り方も若干違うらしい)。個人的には甘味があるナイアガラのアイスワインが好きだ。人それぞれの好みがあるので、皆さんの好みのワインなどを見つける旅も面白い。
今回は時間がなく訪れることが出来なかったが、ノバスコシア州にはケープブレトン島の「カボット・トレイル」と呼ばれる北米で最も美しいと言われているドライブコースがあったりと、見所はまだまだたくさんある。この広大なカナダを来年2020年も旅していきたい。