ルアー屋さんのオンタリオ釣り日記 第42回 〜ルアー開発秘話 その1〜
西根さん、何でこんな偽物のエサに魚は食いついてくるんですか?ルアーって何?
ちょくちょく聞かれる質問なのですが、ホント、考えてみたら不思議ですよね~。
ホント、何で魚はルアーに食いついてくるんでしょうか?(笑)
その答えが分かったら僕が教えて欲しいぐらいですが、実際の話、魚達はルアーに食いついてきます。
どうやったら、より釣れるルアーを作れるのか?これはもう永遠のテーマで、ただ本物そっくりに作れば釣れるという訳ではないというのがルアー作りの難しい点であり、面白いところです。
水中でのシルエットや動きであったり、ルアーが発する振動であったり(音も含む)、反射光であったり、どうしたら魚を刺激して食いつかせる事ができるのか?
そして、その上でストレスなく使える性能など、道具としての使い易さも重要となってきますので、作り手としてはかなり複雑難解、かつ非常に作り甲斐のあるモノとなります。
と言う訳で、今月号から何回かに分けて、ルアーはどういう過程を経て誕生し、世の中に送り出されていくのか、その開発過程をご紹介させて頂きますね~!
◆ ハンドメイドのプロトタイプ作り
釣りをしていく中で、こういうルアーが欲しい!
というアイデアが出て来た場合、まず最初にハンドメイドでプロトタイプを作り、そのアイデアに可能性があるかどうかを確かめる事からルアーの開発が始まります。
そのファーストステップがマスターモデル作り。ウッドを削ってマスターモデルを製作します。
(写真1、2)
次に行うのが、ウッド製マスターモデルを複写し、発泡ウレタン素材を用いてプロトタイプを製作します。このステージでは、内臓ウェイト、ワイヤー、動きを出す為のリップと呼ばれる抵抗板、釣針などが装着され、ルアーっぽくなってきます。
この段階で様々なセッティングを試して理想の動きに近づけていきます。
(写真3)
そして、この発泡ウレタン製プロトタイプを用いて実釣テストを行い、問題点や改善点を見出して改良していきます。
これらの魚は実釣テストでキャッチした魚達。
(写真4、5)
こうして五大湖の魚達に鍛え上げられたプロトタイプを元にして、開発のステージは次の製品化プロセスへ進んで行くことになります。
次号に続く・・・
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西根博司(にしね ひろし)
鳥取出身。ルアーフィッシング歴33年。プロルアービルダー歴26年。カナダ歴18年。寝ても覚めてもルアー作りと魚釣りのことばかり考えている典型的な釣りバカ人間。