楓の森の歩き方　第32歩

緑の季節に入り、太陽に照ら
された水面がキラキラと輝き出せば、水の上へとカヌーで漕ぎ出していきたいと、そわそわとしてくるのがカナディアンの性です。
そして、カナディアン・カヌーといえば、カナダの重要なシンボル。

今回はそのカナディアン・カヌーの操作方法について簡単に説明しましょう！
まずカヌーで一番重要な特徴は、水面に浮かぶ船体の流線型のデザインです。カヌー船体のデザインは、その機能と目的に深く関連しています。次に重要なのはパドル、カヌーを漕ぐ櫂ですね。カヌーとカヌーイストを水へと繋げる重要な鍵。私にとってのパドルは腕の延長であり、カヌーを自分の行きたい方向に導く重要なツールです。
カヌーに乗り込む前にしっかりと基本のパドリング法を学び、水上に出た時にパドルを正しく使い操作できるように基礎を理解しておきましょう。
まずはパドルを水面に垂直に入れ後方へとまっすぐに漕ぐフォワードストローク、そしてパドルをカヌーより遠くの水面へ入れて引き寄せるように漕ぐドローストローク。このストロークは曲がるときに使います。そして、パドルの持ち手を替える時のハット。キャプテン（後部の漕ぎ手）が、「ハットッ!!」と声をかければ、持ち手を入れ替えます。 パドリング法を理解したら、笛の付いたライフジャケットをしっかりと着込み、カヌーへ乗り込む準備です。　最も安全にカヌーに乗り込める場所は湖の岸辺です。カヌー初体験の方は、まず2人乗りのカヌーから始め、経験豊かなカヌーインストラクターまたはカヌーガイドの講習を受けることをお勧めします。
カヌーには船首バウ、船尾スターン、船体ハルといった名称があります。
カヌーの後部に座る人はキャプテン、主に舵をとる役目、前部に座る人はエンジンと言い、その名の通り頑張って漕ぐ役目です。エンジンは漕ぐ役割以外にも前の障害物を知らせるキャプテンの眼としての役目も重要です。キャプテンの重要な役割は、エンジンからの情報を受けてパドルで舵を取り、カヌーの進む方向を変えて目的地に向かう事です。エンジンとキャプテンは互いに逆の側でパドルを漕ぎ、しっかりと連携したチームワークが必要となります。

カヌーで光り輝く水の上へ漕ぎ出す喜びは、日常ではまず触れることのない圧倒的な大自然を身近に感じること、そしてそれに伴う自然との一体感と開放感です。
それはまさに体験してみないと分からない種類の感覚です。
さぁ、わたしたちに本当のカナダへと案内させてください！

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Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。

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