学生団体PORTA主催 講演会 「会社で働くとは何か?」
トロント在住の日本人留学生のグローバル社会におけるキャリア実現を目指す有志で結成された学生団体「PORTA」が7月19日にトロント日本商工会専務理事である伊東義員氏を講師として招き、「会社で働くとは何か?」をテーマに講演会を開いた。
今回の講演会は、日本とカナダの働き方の違いを学びながら職選びにあたっての自分の中での優先事項、将来像やライフプランなどを考え、また集まった学生同士で互いに知識や価値観、将来のビジョンなどを共有し合うことで留学生活のモチベーションに繋げていこうという目的で開催された。
伊東専務理事
講演者の伊東氏は日本で慶應大学卒業後、1980年パイオニア株式会社に入社し、ビデオディスク事業部、営業管理部、本社財務部での勤務を経た。その後パイオニアカナダ社へ駐在し、財務役および経営企画、産業用ビジネス担当部長での勤務をした後、同社を退社。翌年2000年には日本郵船カナダ物流子会社へ入社し副社長を経験し、その2年後には社長に就任した。2006年に同社を退社した後、トロント日本商工会専務理事に就任し現在に至る。このように日本とカナダ二つの場でキャリアを経験した伊東氏の話を聞くことは、留学生にとってビジョンが広がり、刺激的で有意義な時間になったようだ。
講演会では日本とカナダの仕事選びの違いだけでなく実際に伊東氏が受けた入社後の教育や研修制度、またソニーグループをもとにした配属後の流れ、会社内でのローテーションや転勤についても参加者は聞くことができ、質疑応答の時間では多くの留学生がキャリアや海外で働くことについての質問を伊東氏に投げかけた。
日本とカナダの仕事をする上での違いに対して焦点が当てられた時は、伊東氏は「日本はグループ単位で仕事をし、カナダは個人個人のスタンドプレーで仕事をする」ことや、「日本は会社で仕事選びをし、カナダは職種で選ぶ。」という見解を述べた。また日常で意識していることについては「カナダのことはカナダ人が一番よく分かっていると思うこと。」など伊東氏が実際にカナダで働いて感じたことについて語った。
また伊東氏がパイオニア株式会社に入ってからの研修システムやそこでの業務、配属後の流れなど、普段聞けないようなことについても細かく聞くことができ、これから就職活動を控えている留学生にとって貴重な機会になったに違いない。キャリアアップについては職の適正を挙げ、自分が思う能力だけでなく他人から見た能力も視野に入れることの大切さを喚起した。また、キャリアアップしていく上で「自分が自信に思えることを何か一つ持っておくと良い。」と述べ、社会人の先輩として留学生に向けエールを送った。
講演会は予定終了時間より延びるほど質疑応答が多く、熱い意見交換も行われた。今回参加した留学生の仕事に対する熱い思いが感じられ、充実した時間になっただろう。
学生団体PORTA Toronto
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