カナダにいる留学生に向けて日系企業駐在者によるビジネスレクチャー|学生団体PORTA主催 第11回
昨年11月29日、トロント日本商工会オフィスで学生団体PORTAが主催する第11回座談会が開催された。
今回の座談会は「一人で事業を立ち上げた人」をテーマに、実際に事業責任者として現在トロントで活躍されている伊藤園の村井隆文氏、富士フイルムの谷口力哉氏、IKO 日本トムソンの宮原達哉氏の3名がゲストとして留学生を前にスピーチをした。座談会冒頭、トロント日本商工会専務理事を務める伊東義員氏による挨拶が行われ、その中で伊東氏は、最近解禁されたマリファナについて触れ、たとえカナダ国内で使用したとしても、日本に帰国した際に逮捕される危険性があるなど、参加者に引き続き注意を促した。
パネルディスカッション・ダイジェスト
まず、ゲストの3名に事業を立ち上げるに至った経緯や、日本とカナダでの働くことに対する意識の差などについてパネルディスカッションが行われた。日本との共通点としては、村井氏は「日本でいう接待ほどではないが、ウェット・コネクションは確かにある。人間関係での違いは基本的にはない。」としつつも、「社員が数年で辞めることも一般的。会社への帰属意識は日本よりも薄い。上司からの評価は非常にドライ」といった違いも提示した。
谷口氏は話の中で、海外で重要なのは『(日本にいる時より)自分の意見をより意識的に相手に伝えること』とし、カナダの方々は異文化に対する理解があるので、英語が出来なくても聞こうとしてくれる。簡単な表現でも伝えることが重要と参加者を激励した。
座談会・ダイジェスト
カナダでは、形式的なものは非常に少ないとのこと。日本に居た時のように、ミーティングのためのミーティングを行うようなことは絶対になく、その場での即決が求められるという。
参加者の中には、このまま海外で就職したいと希望する者もおり、最後に、将来起業したいと考えている参加者に対し宮原氏は、「既存の業界で起業するメリットは存在しない。時代の変化におびえず、次に流行るであろう事業や業界に常に目をつけておくことが肝心だ」とエールを送った。
参加者の声
今回初めて参加したという濱村英里さん(学生)は、
「社会人の方とお話しするのが良い経験になると思って参加しました。今のところは海外で働こうとまでは考えていませんが、そういう道もあるのかと、自分の可能性を広げることができてよかったです。日本では駐在員の方とお話しできる機会はなかなかないので、純粋に知らないからこそ気になることがたくさんあって、それを全部ぶつけてみました。伊藤園の村井さんが飲食業のマーケティングのお話の中で、『FunctionからEmotionに変えなければいけない』と仰っていて、それが非常に心に響きました」
と話してくれた。
各テーブルでは質問や会話が途切れることはなく、参加者らの意欲を感じ取ることができた。非常に意識高く、会場中に頷く声と時折笑い声が響く、非常に活気のあるものとなった。
次は2月21日(木)にて、「働くってなんだろう?」というテーマのもと講演会を行うとのこと。就職を控えた学生はもちろん、社会人経験者も是非参加してみてはいかがだろうか。
学生団体PORTA Toronto
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