カナダで広げる知見と人脈が日本帰国後の糧になる トロント駐在員 ×海外勤務を希望する日本人を結ぶ 学生団体PORTA主催 第9回 座談会開催
6月22日にトロント日本商工会オフィスにて学生団体PORTA主催の第9回座談会が行われた。この座談会は年に4回ほど開催されており、トロントにある企業の駐在員の方々と将来海外で働きたい日本人を結び、若者が将来への夢の扉を開くきっかけを提供している。
今回は夏休みを利用しトロントに一時滞在している大学生が多いことから、自動車メーカーからH氏(今回匿名で参加)、JETRO Torontoから江崎江里子氏、三井住友銀行から山﨑修治氏という3名の駐在員がゲストとして来場した。
初めに行われたパネルディスカッションでは、それぞれの駐在員の方々の今に至った経緯や日本とカナダでの働き方の違いについて聞くことが出来た。中でも興味深かったのは、3人中2人は海外で働くことになるとは思っていなかったと言うことである。また学生達から質問が多かったワークバランスについては、日本より大分バランスが取れているが、現地採用の人達よりは長く働いてることが多い様だ。また全員に共通する意見で、カナディアンでも必要に応じて長く働くとのことだった。
海外で働くことを夢見るのではなく具体的に何がしたいかを考えるべき
その後に行われた少グループでの質問時間では各テーブル、質問のメモを手に真剣に駐在員さんの話を聞く留学生達が目立った。今回唯一の女性駐在員のJETRO Toronto江崎氏のテーブルでは女性参加者から仕事と家庭のバランスの質問が多く飛び、女性参加者達の女性として駐在することへの不安を感じた。だからこそ江崎氏の「どれだけ仕事を楽しくするか、面白みを見つけていく、または作っていくことがモチベーションに繋がる」との言葉が参加者たちには響いていたようだ。
三井住友銀行山﨑氏は、学生の「海外に関わる仕事がしたい」との声に「今海外に関わらない仕事の方が少ないのではないか」と返した。これは留学生一同目から鱗だったのでは無いだろうか。また「自分のポジションを作り、自分の価値をどれだけ相手に示せるかが重要である」とアドバイスを送っていた。
自動車メーカーのH氏は3回目の駐在の経験から「先進国で働くことは発展途上国で働くより難しい、何故ならカナディアンはレベルが高く、何かを頼んでも何故それが必要なのか説明しないとやってくれないことがある」との貴重な話を聞くことが出来た。
今回ゲスト3人の話を聞いて共通していた留学生達に向けたアドバイスは「海外で働きたい」という大雑把な目標ではなく、具体的に何がしたいのかを考えるべきだ、という鋭い意見だった。まだ働くことについてぼんやりしたイメージを持ちがちな学生達にとって、一番大切な基礎の意識に問いかける様な言葉だったのでは無いだろうか。
学生団体PORTA Toronto
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次回講演会は、9月14日(金)開催予定