苦境に立たされる日本のラーメン屋、カナダの飲食店|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第63回

日本国内のラーメン屋の倒産件数が前年同期比で3.5倍と大幅に増加
先月、東京商工リサーチの調査により、今年1月から8月で、日本国内のラーメン屋の倒産件数が、前年同期比で3.5倍と大幅に増えていることがわかりました。資本金別では1千万円以下が9割、そして従業員別では5人未満がやはり9割と、小規模の個人店が息切れしてしまっているそうです。
昨今の食材の高騰や、人手不足による人件費の上昇など、さまざまなコストアップに加えて、コロナ禍での時短協力金や雇用調整助成金の終了、またゼロゼロ融資の返済などが追い打ちをかけてしまっているという状況です。そもそも、ラーメン屋は3年ともたずに7割がつぶれてしまうという厳しい業態です。近年、千円の壁を突破するラーメン屋が増えてきていて、ラーメン業界全体にとって良い流れが来ていると感じていましたが、コストアップを価格に転嫁すると、それはそれでお客さんが大手の牛丼チェーンやコンビニ弁当に流れてしまうという、難しい局面をむかえています。
カナダでは、2022年以降レストランの倒産件数が116%も上昇

一方ここカナダも、この日本のニュースを対岸の火事と油断できる状況にはありません。レストランの予約サイトOpenTableは、トロントでの店内飲食の客数が3か月連続で減少しているという不穏な動きを伝えており、9月にいたっては、実に前年比9%も全体の客数が減少しているそうです。
カナダ全土の3万件以上の企業を代表するレストランカナダは、レストランの51%は赤字にあえいでいて、2022年以降、レストランの倒産件数が116%も上昇していると報告しており、同社の副社長は「かつてこんな数字は見たことがない」とコメントしています。
また、日本の現状と同じく、コロナ禍での無利子のローンCEBA、すなわち4万ドルの返済期限がせまってきていますが、年末までに返済できる余裕があるレストランはわずか20%だといいます。レストランカナダは政府に3年間の返済猶予期間を求め、そのほか、オンライン署名なども行われていましたが、先月発表された猶予期間の延長は3週間程度にとどまり、その後は有利子でのローンに切り替わり、じわじわと中小企業を締めあげていくことになります。
今月から最低時給も引き上げあげられ、多くの企業は値上げを強いられることになると思いますが、果たしてお客さんはどこまで許容できるでしょうか
逆境の中にこそ新しい勝ち筋があると信じる
コロナ以降、幾度となく政策金利は引き上げられ、それでもインフレは抑えられず、にもかかわらず需要は増え、景気は好調といういびつな状態が続いてきましたが、今にして思えば、それは膨張し続ける時限爆弾だったのかもしれないという不安がぬぐえません。
しかし、私たちはテロや自然災害、度重なる経済ショック、そしてコロナと、一夜にして日常が一変する可能性が常に身のまわりに潜んでいることを、すでに体感知として知っています。こういった不穏な状況の時こそ、自分たちは何をどのように売っているのか、自分たちの強みやコンペティターとの差別化はどこにあるのか、といったビジネスの根本を見つめなおし、来るべき時に備えるしかないと思います。
もっと言えば、不況や困難にさらされてもそこには必ず光明があり、逆境の中にこそ新しい勝ち筋があります。強いお店や企業は、時代の流れを読んで生き延びられるからこそ、強いと言われるのです。ビジネスをやっていると良い時も悪い時もありますが、悪い時には全力で問題に立ち向かい、良い時には驕らずに悪い時に備えておく。なかなか難しいことではありますが、そうやって平穏な心で、時代の節目を見極められるよう、日々、仕事と向き合いたいと思う今日この頃です。















