強い会社、良い会社、全スタッフ$1アップの決断|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第80回
先月1日、アメリカ政府がカナダに対して25%の関税を課す決定を下しました。その後、交渉の結果、発動は30日間停止となっている状態です。
これを皆さんが読んでいるときには、すでに状況が変化しているはずですが、カナダとアメリカは非常に強い経済的な相互依存関係にあり、それ自体がカナダの脆弱性であることをまざまざと見せつけられました。
とはいえ、どこでどんなビジネスをしていたとしても、大きな環境の変化は常におこりうるものです。そんな時にために、日ごろから強い会社、ビジネスを構築しておく必要があるのだと認識をあらたにし、強い会社とは何か、と思いをめぐらせました。
強い会社の条件を考える上ではずせないのは、とにもかくにも経済的な強さ、すなわち安定した収益基盤があり、競争に巻き込まれず利益を確保できるかが重要です。この絶対条件を満たすための必要条件として、ブランド力や競争優位性、収益の分散、そしてまさに環境変化への適応力が求められます。さらにそれを支えるのが組織としての力、つまり従業員が同じ価値観を共有し、個人として強みを持っているほか、それをチームとして最大限発揮できる仕組みが不可欠です。
ただ、強い会社を目指す理由は会社を存続・成長させて競争に勝つためですが、売り上げや利益は会社にとっての血液に例えられることからも、それ自体が会社の存在理由でないことは明らかです。
では会社の存在理由はなにかを考える上で、強い会社とは、という観点ではなく、良い会社とは何か、という視点を持つことが重要になります。
儲かっているからといって、従業員が疲弊していたり、顧客満足度が低かったり、取引先に無理な要求をしていたりしては、長期的に存続しうる良い会社とは言えません。
ですので、従業員が楽しく誇りを持って働けて、コミュニティーの一部として社会的責任を果たし、お客さんに愛され、あらゆるステークホルダーに金銭のみではない広い意味での利益をもたらし、会社としても、短期的な利益よりも長期的な信頼を大切にするのが「良い会社」と言えるのではないでしょうか。そしてその「良い会社」のあり方を模索することが、ひいては「強い会社」を形成していくと考えています。
巷では、もうかりまっか、ぼちぼちでんなぁといったやり取りにも表れているように、儲かっていることを表に出すことが良くないことのような風潮があります。しかし会社の代表として、会社の強さを内外にアピールすることは、顧客や従業員のためにも非常に大切で、むしろ、どうして嘘をついてまで会社を卑下する必要があるのかとさえ思います。
その点で、ラーメン雷神は、決して景気が良いとは言えない不安定な状況下で、お陰様で安定した経営を続けることが出来ています。むしろ好調と言えるぐらいです。
こんな状況にあって、「強い会社」、そして「良い会社」を作っていくために、ラーメン雷神は、全従業員の時給を1ドル上げる決断をしました。従業員にとっての良い会社を考える上で、稼げる、という点は何を差し置いても重要だからです。
関税がどうなるかもわからないこのタイミングで、年間4万ドルのコスト増は恐怖すら感じますが、これは合理的判断であり、僕の覚悟であり、ビジネスをやる上での強い想いです。
勢いに乗っても調子には乗らず、これからもチーム一丸となって「強い会社」、「良い会社」を作っていく次第です。






