株式市場から見るラーメン|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第74回
先日、個人投資家の友人からラーメン関連の企業について聞かれて、いろいろとラーメン業界の話で盛り上がりました。聞けば、雷神でもお付き合いのある、ラーメンのタレや業務用の調味料などを製造している和弘食品という会社は、ここ数年で株価が5倍以上に上がりました。調べてみると、ラーメン関連の株はなかなか調子が良いようです。というわけで、乱高下で世間を騒がせている日本株ですが、今日は株式市場から見るラーメン業界のお話しです。
ラーメンとは不思議なもので、定期的に何かしらのブームと呼ばれる潮流が生まれています。
それは豚骨ラーメンであったり、ご当地ラーメン、またつけ麺や淡麗系と言われるあっさり系のラーメンであったり、ラーメンの定義の広さも後押しして、常にメディアでも数字が取れるコンテンツとして定着しています。また日本にとどまらず、海外でもラーメンは人々に求められる人気の日本食の地位を築きあげました。
そして近年、個人店が中心だったラーメン業界に、いわゆる資本系とよばれる資本力をバックにした飲食店企業が急速にチェーン展開をして、株式市場をもにぎわせています。
その代表格が、ラーメン山岡家を運営する丸千代山岡家で、なんと3年で株価は6倍を超えました。山岡家はチェーン店でありながら、スープもチャーシューも店舗で仕込むほか、ネギは手切りという気合の入りようで、ロードサイドを中心にファミリー層やトラックドライバーなど幅広い客層をつかんで、着実に店舗数を増やしています。
また、日本国内外で町田商店やラーメン豚山を運営するほか、家系ラーメンをE.A.K RAMENとしてアメリカに進出したギフトホールディングス。
ファミリー層に訴求力を持ち圧倒的なオペレーション力を武器に丸源ラーメンや焼き肉きんぐなど、幅広い業態を展開する物語コーポレーション。
博多豚骨ラーメンのイメージを刷新し、アメリカをはじめとする海外でラーメンブームの火付け役となった博多一風堂を運営する力の源ホールディングスなど、いずれも堅調な業績を積み重ねつつ、好調な推移を見せています。
こういった企業に共通して見られるのは、やはりどの企業も力強い独自の経営理念や、他社の追随をゆるさない圧倒的に尖った何かしらの武器を持っていたり、商品や現場に対するトップの異常なこだわりや、ビジネスに対する泥臭さや情熱がにじみ出ていたりするという点です。
株式投資という点で見ると、AI産業への期待の高まりで株価が上昇した半導体企業のエヌビディアの様に、裏方として業界を支える、冒頭にも挙げた和弘食品などの関連株をウォッチするのも良いですし、株主優待を行っている飲食企業はたくさんあるので、そういった観点で株を見てみるのも面白いです。
上場は決してビジネスにおいてゴールではなく、目的を達成するための手段の一つです。ですから、上場している企業が中小企業や個人店より優れているという事では全くなく、小さい箱だからこそ出来ることもたくさんあります。逆に、ラーメン業界では先に挙げたような大企業が、資本系となかば揶揄まじりに呼ばれることもあり、それはそれで違和感を感じます。
実際、ラーメン屋視点でいくつかの企業を見てみて、どの会社にも学ぶべきところや、これはすごいと唸ってしまうポイントが数多く存在します。しかし、お客さん視点や食べ歩きをしているようなラーメンフリークやマニア方たちの立場から見ても、また違った風景があるはずで、時に論争が巻き起こったりするのもまた、ラーメンという食べ物の深みゆえかもしれません。






