コミュニティーとしての『会社』の在り方|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第81回
カンパニー旅行でカンクンへ

先月、ラーメン雷神のカンパニートリップでスタッフを連れてカンクン旅行に行ってきました。「ラーメン屋がカンクン?」と驚かれるかもしれませんが、僕にとってこれはただの慰安旅行ではなく、コミュニティーとして会社の在りかたを模索する、一つの大きな実験でした。
ラーメン屋というと、「キツイ」「大変」といったイメージがつきものですが、僕は雷神を単なる飲食店ではなく、一つのコミュニティーにしたいと考えています。そのために、働くことの意味や、会社が果たすべき役割について日々模索しています。今回のカンパニートリップも、その延長線上にあるものです。
なぜ会社をコミュニティーにしたいかと言うと、働くことが「つらいもの」と考えられている風潮に真っ向から挑みたいからです。ワークライフバランスという言葉があるように、「ワーク=苦役」「ライフ=豊かな時間」という対立構造が暗に設定されているように感じます。古くから労働は「生きるために仕方なくやるもの」とされ、産業革命以降は特に、会社のために働き、その対価として給与を受け取るシステムが確立されました。
仕事は義務であり、楽しむものではない。そんな価値観が今も根強く残っています。
でも、本当にそうなのでしょうか。例えば、昔の職人文化では、仕事そのものが生活や生きがいであり、誇りを持って取り組むものでした。現代でも、フリーランスやクリエイティブな仕事をしている人、裁量を持って大きなチャレンジが出来る人は、働くこと自体を楽しんでいるケースが多いです。
また、人はお金を払ってでも「労働」に近いことをする場面があります。例えば、スポーツやバンド活動、ゲームのコミュニティー、オープンソース開発など。みんなが自発的に集まり、時間と労力をかけて何かを成し遂げることに喜びを感じています。ここでは「やらされる」ことはなく、目的を共有し、主体的に動いています。
ラーメン雷神も、そんなコミュニティーのような存在になれないのか。
仕事を「給与をもらうための義務」ではなく、「仲間とともに何かを成し遂げる活動」にできたら、働くことの意味がまったく違ったものになってくるはずです。会社をコミュニティーにするためには、いくつかの仕組みが必要だと考えています。利益をみんなで共有することもその一つです。会社の利益は株主だけのものではなく、働く全員で共有されるべきと考えています。
だからこそ、雷神では利益をボーナスという形でスタッフに還元し、カンパニートリップのような形で、みんなで楽しむことを実践しています。
また、目的を共有することも大切です。「来年もみんなで旅行に行く!」という明確な目標があれば、売上を上げる理由がただの数字ではなく、ワクワクする体験に変わります。働くことが、「自分たちのコミュニティーを成長させること」に直結していると感じられるような仕組みを作りたいと思っています。
働くこと自体を楽しいものにすることも大切です。仕事=苦役ではなく、仲間と何かを成し遂げる活動としての仕事。そう考えると、ラーメン屋の仕事もまったく違うものに見えてきます。「こんなラーメン屋があったんだ!」と驚いてもらえるような挑戦を、これからも続けていきたいです。
カンパニートリップを終えて、改めて「会社」という枠組みが持つ可能性について考えました。仕事はただ生活のためにやるものではなく、仲間とともに挑戦し、成長し、楽しむものになり得ます。ラーメン雷神が、その一つの実験の場になれたらと思っています。
勢いに乗っても調子には乗らず、これからもチーム一丸となって「強い会社」、「良い会社」を作っていく次第です。






