コロナ禍におけるお部屋探しと入居に関する留意点|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第35回 】
今回は、コロナ禍におけるお部屋探しと入居に関する留意点についてお話したいと思います。
お部屋探しの留意点
・物件内見の制限
コロナ禍においてお部屋探しをする際の留意点として、まず内見できる物件が制限されることです。ロックダウン中においては売買におけるオープンハウスは引き続き禁止されているほか、賃貸においても外部者の建物への出入り・内見を禁止していたり、エージェントのみが内見できたり、とコンドミニアム自体が制限を設けている物件もあります。また建物への出入りはできても、現在入居者(テナント)のいる物件は内見を断られたり、内見可能な日時が限られていたりと、自分が見たいお部屋が見られない可能性もあります。
そのため、お部屋探しの必要が生じた際には、早めに情報収集と内見手配を行い、各物件の内見可否を確認することをお勧めします。今はMLS物件情報にバーチャルツアーを掲載している物件も多くなりました。自己隔離期間中にそうしたバーチャルツアーを参考にしながら、自分の希望に合いそうな建物を幅広く探しておくこともいいかと思います。気に入っていた物件がどうしても見られなかったら次の候補の物件!と柔軟に対応することが大事です。
・戸建てやタウンハウスの動きは速い
ノースヨークやミシサガなどダウンタウンから少し離れたエリアの戸建てやタウンハウスの動きは速いです。今は例年から見ると賃貸マーケットとしては決して活発な時期ではありませんが、賃料の低下に伴い、ダウンタウンのコンドミニアムから郊外のタウンハウスや戸建てへの需要は高くなっています。いいな、と思った物件はあっという間になくなってしまうこともありますので、戸建てやタウンハウスをお探しになりたいお客様は、内見後にすぐに決めてオファーできるようデポジットの準備も含めて、早目早目の行動と準備が大切かと思います。
・交渉のチャンス!
以前にもお話しましたように、賃貸マーケットにおいては特に1BRや2BRのコンドミニアムは供給過多の状態が続いているため借手市場です。そのため、これまでと同じ賃料でより良い物件が借りられたり、類似物件は100~400ドル程度賃料が低く借りることができるなど借手にとっては魅力的なマーケットといえます。
また、賃料を少し下げたい、入居日を少し先にしたい、カーテンや電子レンジなど足りない部屋の備品を揃えてほしい、デポジットは2か月で申し込みしたいなど、以前は状況によっては難しかった入居者の要求も「きちんと賃料を払ってくれるテナントさんなら…」とオーナーが承諾するケースが多く見られます。「これはちょっと図々しいかな?」と思う要求でもエージェントを通じて遠慮なく打診することをお勧めします。
・支払い方法の変化
ロックダウン中でオフィスがクローズしていたり、コロナ感染拡大防止による紙のやりとりを避けるため、契約成立後のデポジット(前家賃)の支払いはオーナー側不動産会社の銀行口座に直接振り込むことが多くなりました。
また、毎月の家賃の支払いについて通常は日付指定の小切手(Post-dated Check)を求められることが多いのですが、EトランスファーでもOKと承諾するオーナーさんも多くなってきました。日付指定の小切手を注文することが難しい場合や、1年間など賃貸期間が短い場合には、Eトランスファーでの支払いについて、賃貸申し込み時に打診することをお勧めします。
入居時の留意点
・配送手配は早目に
コロナ禍における入居準備として一番苦労するのが、家具無しの物件を借りた際の家具等の手配です。ロックダウン中はイケアや他の家具店も店内営業を行っていないため、オンラインショッピングとなります。また家具だけではなく、テレビやそのほか生活用品などもすべてオンラインショッピングで揃える必要があり、配送に時間がかかることが予想されるため、仮住まいから新居への入居には少し余裕をもってスケジュールを組むことがベストです。
・インターネットの確保
入居後は在宅勤務やオンラインスクールなど、すぐにインターネットの通信環境が必要になる方がほとんどかと思います。今は店内営業していない店舗も多いため、オンラインでインターネットの契約申込みを行い、Wi-Fiボックスを郵送で受け取るケースも多く、郵送は一般に数日~1週間程度かかります。
インターネットやケーブルテレビの契約(BELLやROGERSなど)には、通常SIN、オンタリオ州免許、カナダのクレジットカードのいずれかが求められることが多いですが、現在SINの手続きもオンライン受付が主になり時間がかかります。入居前までにどうしてもSINの取得が間に合わない場合、保証金を支払えば日本のクレジットカードが使用できたり、カナダの銀行で口座開設した際に受け取ったキャッシュカードがVISAデビットの機能のあるカードであればOKだったケースなどもありますので、各通信会社に早目に問い合わせることをお勧めします。
コロナ禍におけるお部屋探しの事情をよく知って、余裕をもって行動しましょう!
弊社では、短期サービスアパート、お部屋探し、自己隔離中や新生活のセットアップに関するサポート等も承っております。不動産に関する疑問・質問、ご要望についてお気軽にご相談ください。