2024年の不動産マーケット事情|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第70回】
あけましておめでとうございます!皆様にとって、本年も健康で実り多き一年となりますよう祈念申し上げます。今年もどうかよろしくお願い申し上げます。
2022年に引き続き金利アップの影響を受けた昨年でしたが、不動産マーケット状況を振り返り、今年の予想についてお話したいと思います。

図1、2は住宅賃貸における、2022年第4四半期(2022Q4)から2023年第3四半期(2023Q3)までのGTAにおけるコンドミニアムの各部屋タイプ別の平均賃料および取引件数の実績です。
2023年振り返り
~賃料は四半期ごとにアップ、完全な貸手市場に~
2023第1四半期に金額は若干下がったものの、それ以降2023年第3四半期まで今年も賃料相場は上がり続けました。特に不動産シーズンである春の第2四半期(4~6月)、夏の第3四半期の賃料アップは顕著で、1BR約100ドルずつ、2BRや3BRにおいては四半期毎に100ドル~300ドル程度アップしたことは、昨年の賃貸マーケットにおける活発さと借手にとっての厳しさを裏付けています。また、取引件数も2022年第4四半期においては前年同期比で減少していましたが、2023年においてはいずれの四半期においてもほぼ前年同期比アップの結果となりました。
昨年夏の1BRの平均賃料は2633ドル、2BRの3430ドル、3BRに至っては初めて4739ドルとなり、前年同期比6%~14%強と昨年より継続して高い平均賃料を更新しました(図1、図2参照)。
~賃料アップに関する事例~
一昨年以来の住宅ローンの高金利を受けローン返済に喘ぐオーナーが多いのは事実です。そのため、2023年はコロナ中に低賃料で物件を借りた方や、2022年前半にお手頃価格で借りた方から、「オーナーがオンタリオのガイドラインの2.5%以上を要求しているが、どうしたいいか」というお問い合わせを受けました。賃料をアップしてもローン返済が追い付かないことから、物件を売却しようと試みたオーナーも多く、売却と貸出を同時にマーケットに出していた物件も多く見られました。オーナーから規定の2.5%以上の賃料アップを提示されたけれど、昨年のマーケット価格で新しい物件を探した場合には、そちらの方がより高い賃料になってしまうから…とオーナーからの提示を受け入れた方も多かったと思います。
~各エリアにおける空室率の変化~

2022年末には1.6%だったトロントの空室率が2023年第3四半期には1.2%と大幅にダウンしました。Peel地区は0.8%から0.9%に、Halton地区は0.2%から0.5%とアップしました。一方York地区は0.6%として変わらず、Durham地区は0.9%から1.5%と大幅にアップ、Halton地区は0.4%から0.2%にダウンという結果でした(図3参照)。
これは居住区は昨年に引き続き広がる一方で、トロント市に人が戻ってきていたり、新たな人口流入があったことを示していると思います。
~売買マーケット振り返り~
2022年以来の住宅ローンの高金利の影響を受け、2022年7月から2023年2月までの平均不動産価格は100万ドル台が続いていました。2023年3月以降は8月と11月を除いて110万ドルを記録し、最高値は5月の119.5万ドルでしたが全同期比2%ダウンの結果となりました。これは2023年も2022年後半に引き続き、売買マーケット全体としてはスローであることを示していると思われます。取引件数としては、5月の8963件が全同期比24%アップと最高件数でしたが、8月以降は全同期比を下回る件数が続いています(図4参照)。
売買マーケットにおいて2023年に最も売買件数が多かった物件種別は戸建て(Detached)で、全体取引件数の44.8%を占めています。最も売れた価格帯は100万ドル~125万ドルの物件で戸建て売買件数の21%を占めています。また2番目に売買件数が多かったのはコンドミニアムで全体取引件数の29.2%、最も売れた価格帯は60万ドルから70万ドルの物件でコンドミニアム売買件数の24%を占めています(図5参照)。
予想1
2024年~借手にとっては厳しい賃貸マーケットが続く~
2022年は大幅な賃料アップ、2023年は賃貸在庫の減少と、借手にとって2023年は厳しい賃貸状況でした。今年も政府の積極的な移民政策、州外からの人口と海外からの学生等の流入により、賃貸住宅不足はさらに加速化し賃料相場が下降する要素は見受けられません。そのため、繁忙期の夏前後を中心に賃貸マーケットはさらにヒートアップし、1BRの平均賃料は2700ドルを、2BRの平均賃料は3500ドルを突破するのではないかと予想します。
予想2
~お手頃物件の売買人気が続く~
2023年に引き続き、お手頃価格である50万ドル~70万ドルの間の1BRまたは1BR+DENのコンドミニアム、あるいは100万~150万ドルの間の戸建て物件の売買が多いのではないかと予想します。また、今年の住宅ローンの金利は2023年に比べて若干下がるのではないかと予想されています。またハイブリッドの勤務形態は続くことを背景に、自己使用・投資用ともにより手頃な物件を求めてトロント市外での物件購入の人気も続くことが予想されます。
予想3
~外国人の住宅購入禁止令の今後~
2023年1月から2年間として始まった外国人の住宅購入禁止令が2024年末で終了となるのか、2025年も引き続き継続となるのか注目されるところです。また2023年からはじまった空室税の申告にかかる罰金例なども2024年にはより多く報告が発表されると予想します。
予想4
~空室オフィス等の住宅への転換~
深刻な不動産不足を解消するため、古い空き物件であるオフィスを住宅に転換し活用しようとするアイデアについてさらなる話し合いと仕組みづくりが進むと思われます。既存のオフィスを活用し住宅に改装することができれば、一からコンドミニアムを建てるより時間が縮小され、今後の住宅事情改善の一助になるのではないかと期待されます。
今年も皆様のお役に立てるよう、住宅物件、商業物件に関する様々な情報をお伝えしていきたいと思います。いつでもお気軽にご相談ください。
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