2023年不動産マーケット予想!|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第58回 】
あけましておめでとうございます!新たな一年が皆様にとって、健康で幸多き一年となりますよう祈念申し上げます。今年もどうかよろしくお願い申し上げます。
金利アップの影響を受けて大きく変化した昨年。今年の不動産マーケットが気になるところですが、2022年の不動産マーケット状況を振り返り、2023年の予想についてお話したいと思います。
図1、2は住宅賃貸における、2021年第4四半期(2021Q4)から2022年第3四半期(2022Q3)までのGTAにおけるコンドミニアムの各部屋タイプ別の平均賃料および取引件数の実績です。

2022年振り返り
~賃料は四半期ごとにアップ、完全な貸手市場に~
2021年後半から引き続き2022年は賃料がアップし続けた1年でした。特に2022年に入ってから通常閑散期である第一四半期(1~3月)も大きく下がることなく、春の第二四半期(4~6月)もじわりじわりと賃料が上がりました。さらに4月以降の売買マーケットの冷え込みを受けて、今年の夏(第3四半期、7~9月)の賃貸マーケットはこれまでにない、ホットな状況を迎えました。
昨年夏の平均賃料は、1BRが2481ドル、2BRが3184ドル、3BRに至っては初めて4000ドルを突破して4139ドルと、前年同期比10%~20%余りの高い平均賃料を更新しました(図1参照)。
実際のお部屋探しの実績により昨年を振り返りますと、ダウンタウンの人気にエリアやコンドミニアムは、肌感覚でも前年に比べて200~500ドルほど上がった気がします。高い賃料相場を背景に、売るより貸した方がよりお得と、売却と貸出しを同時に行ったり、売却より貸出しに転向したオーナーも多かったと感じます。
一方で取引件数は賃貸マーケットの活発化を反映して、いずれの四半期でも前年同期より減少、品薄状態が続き、需要が急増しているにも関わらず供給は下がることで、完全にオーナー有利な市場となりました(図2参照)。
~賃料アップに関するケースやトラブルも~
賃貸マーケットの活発に伴い、2022年に見受けられたのは賃料アップに関する様々なケースとトラブルです。オンタリオガイドラインにより、2022年は1.2%しか賃料をアップできない一方で、オーナーにとってはコロナ禍の影響残る2021年前半に格安で貸し出しした物件が今は何百ドルも多く貸せる、あるいは金利がアップする前に売ってしまおう、という意識が強く働いたと思います。昨年の前半は、オンタリオ州の規定よりも多く賃料アップをお願いするオーナー、あるいは、売るから出てってと言って追い出そうとするオーナーなど、様々なケースがありました。
悪質な例としては、オーナーが自己使用するからどうしても出てってほしい、と半ば強引に退去を余儀なくされたのに、1、2か月後には同物件が賃貸マーケットに出ている、ということもありました。
昨年後半の特徴としては、2022年に1.2%の賃料アップするよりも、2023年に2.5%上げた方が、ベースレント(基本賃料)が上がって今後よりお得と考え、2023年1月1日から賃料アップを行うオーナーも多かったように思います。
またトラブルではありませんが、新築物件はオンタリオガイドラインの賃料上限の適用を受けないため、2021年に格安で新築物件を借りられた方は1年度に賃貸マーケットに応じたかなりの賃料アップを求められた方もいらしたと思います。賃料アップを求められた場合には、ルールを確認し、現在のマーケット状況、賃料相場をよく検討したうえ、オーナーと上手に交渉しましょう。
~各エリアにおける空室率の変化~

2021年末には1.7%だったトロントの空室率が2022年第3四半期には1.9%とアップ、PEEL地区は0.8%から0.9%に、HALTON地区は0.2%から0.5%とアップしました。一方YORK地区は0.9%から0.5%、DUHRAM地区は0.7%から0.3%と大幅ダウン、低い空室率となりました(図3参照)。これはトロント市付近の高い賃料を避けて人々の居住エリアがより広がったことを示しているのではないかと推察します。
住宅の売買マーケットは2021年2月に初めて平均不動産価格100万ドルを超えて以来、100万ドル以上をキープしながら上がり続け、2022年の最高値は2月の約133・4万ドル、前年同月比の最高アップ率は1月の28・5%でした。金利アップの影響を受け、5月からの平均不動産価格は、年初とはうってかわってひと桁台のアップ率と低下、その後9月以降は前年同月比より価格が下がる結果となりました。
一方、物件平均価格は年間通じて100万ドル以上を保った結果となりました。取引件数としては、住宅金利アップ実施を前に3月には駆け込み需要が増したことを背景に、1万865件が最高件数となりました。4月以降は前年同月比40%前後とダウン、昨年秋以降はほぼ半数近くの成約数と減少、売買マーケットの冷え込みが顕著となりました(図4参照)。
2023年予想1: 賃料アップの傾向は続く
コロナ以降の経済活動復活とカナダ政府の移民増加政策も背景に、2023年もトロントへの人の流入が引き続き予想されます。一方で、建築事情は人手不足と資材流通問題によりスロー化していますので、不動産不足は続くと思われます。平均賃料はおそらく下がることなくさらに上がり続け、1BRの平均賃料は2500ドル台に、2BRの平均賃料は3200ドル台に達するのではないかと予想します。


予想2: タウンハウスやコンドミニアムの売買増加か
住宅ローンの金利アップを受けた売買マーケットの低下と影響は今年も継続すると思われます。2022年後半は、物件金額の高い戸建て(DetachedおよびSemi-Detached)の売買件数が大幅減少しましたが、コンドミニアムやタウンハウスの減少はそれほど大きくない結果でした。
借入金額が限定されることを受けて、今年も100万ドル以下のコンドミニアムやタウンハウスの売買の需要が伸びるのではないかと予想します。
予想3: 郊外の戸建て類物件
コロナでは市内の密集地域を避けて郊外に移住する人が増えましたが、今年は「自分の買える家」を求めて、居住地をトロント市郊外に広げる人がさらに増えると予想します。そのため、郊外におけるDetachedやSemi Detachedなどの戸建て類物件の売買は増えるのではないかと予想します。2022年では125万~150万ドルの戸建ての取引が最も多かったですが、今年は100万ドル前後~125万ドルの戸建て類の成約が増えると予想します。
予想4:トロント市の空室税(VHT)について
2022年2月施行のトロント市の法律により、2023年2月2日までに前年における半年以上空室であった場合には、空室税を支払う必要があります。課税額は固定資産評価額の1%程度となります。物件を所有する人すべてが申告の対象となり、貸し出しをしている場合には、テナントの名前や電話番号も申告する必要があります。申告漏れした場合には罰金の対象となります。初めての施行となるこの空室税は、2023年に混乱を招くことが予想されます。
2023年1月からは外国人による住宅物件購入の禁止も始まります。またオンタリオ州政府によって外国人による不動産取得税は25%にアップされました。カナダ政府、オンタリオ州政府、トロント市すべてが様々な手で、不動産不足を解消するべく試行錯誤していますが、果たしてその結果はどうなるのか…?
今年も「住まい」の視点から、皆様に様々な情報をお伝えしたいと思います!皆様と素敵な住宅との出会いを心から祈念しています!
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