トロントの居酒屋風雲児 #7
工事はこだりのDIY!オープンにむけて奮闘中!
日がどんどん伸びてきて暖かい日も続き、夏はもうすぐそこかと思いきや5月半ばだというのに雹が降ったりとトロントの夏はまだもう少し先のようですね。
Guu Izakayaのための物件が決まり、着々と言えるかどうかは分かりませんが少しずつ改装工事が進んでいます。元々レストランだった居抜き物件という事もあり、内装をメインとした工事のため然程大がかりな工事はしていませんが、工事を始めれば色々な問題が出てきます。特に居抜き物件の場合は以前に他の誰かがデザインをして施工をしているので、何でこんな所に、何でこんな高さに、何でこの色にといったデザインも少なくありませんし、何でこんな施工の仕方をしているのか、といった箇所もやはり出てきます。もちろん今ある物やデザインを無くして全て自分の好きなようにゼロから作り変えればいいのですが、それには時間もお金もかかります。1日でも早くオープンしたいので、そういったバランスを考えながら、使える物は使い、残せる物は残しながら、自分好みの店に作り変えています。今まで数件のレストランのオープニングに携わりましたが、今まではお店がほぼ出来上がる直前に店に入り、オープンの準備をするだけでしたが、今回は以前のお店を解体する所から見て、毎日どのように変化していくのか、どのように施工していくのかを確認、相談しながらの店作りはとても刺激的で勉強になります。実は今回は開業資金も限られている事から、自分達で出来る事は自分達でやろうと流行りのDIY (Do It Yourself)で工事を日々、相方と行っています。今回の物件は地下にトイレがあるので、そのトイレだけでも自分達で改装しようと試行錯誤しながら改装を行っています。しかしやった事の無い初めての作業ばかりなので、正直あまり効率は良く無いし、失敗する事も多々あります。大体の事は今の時代インターネットで調べられますが、知識の無い分野なので、やり方は分かっても仕上がりが思い通りにいくとは限りません。私達の仕上がりはプロとは比べものにすらならない出来ですが、汗水垂らして作った作品なので愛情はたっぷりです。今回の全ての経験が勉強だと思い、少しの失敗など気にせずに楽しく改装工事を行っています。
私達では到底全ての改装を終わらせる事は不可能なので毎日色々な業者の方に工事に携わって頂いていますが、本当に多くの方のお陰で店が出来上がっているなと実感しています。私達のお店に来てくれるお客様への感謝はもちろんの事ですが、施工をしてくれる方がいて、食材やお酒を卸してくれる方がいて、それを配達してくれる方がいて、私達の店で働いてくれるスタッフがいて、他にも色々な方の助けがあるから私達の店は毎日営業出来ているんだなと思います。お店に来て頂けるお客様には、お帰りの際に大きな声でご来店の感謝を伝えられますが、業者の方々には感謝をお伝えする機会があまり無いのでこの場をお借りして、感謝致します。本当にありがとうございます。そんな皆さんに助けてもらいながら頑張って作っている店なので、1日でも早くあたたかく皆さんをお迎えできるように頑張るのみです。まだまだ問題が出てくると思いますし、やる事も山積みですが、TORJA7月号が出る頃にはオープンしているはずですが。。
小笠原 克 Ogasawara Masaru
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。