トロントの居酒屋風雲児 #9
オープンして2ヶ月が経ちました!
毎年、大好きな夏はあっという間に過ぎていきます。今年は店のオープンもありなかなか夏らしい事が出来なかったので、来年こそは絶対に夏休みをとって夏を満喫しようと今から燃えています。そのためにも一日も早く、スタッフを育てて店を安定させる事に集中したいと考えています。早いものでオープンしてから2ヶ月が過ぎようとしていますが、多くのお客様に御来店頂き、本当に感謝しています。ありがとうございます。まだまだバタバタしたり、お客様に満足していただけるクオリティーの料理やサービスを提供するのにはもう少し時間がかかるかと思いますが、クオリティーに妥協する事なく前に進んでいければと思います。
オープンしてまだ2ヶ月なのに、多くの方から2店舗目は考えているの?いつ2店舗目をオープンするの?などとの質問を多くされますが、次の出店は今の所はまだ考えていません。まずは1店舗で安定した利益が出なくては次の出店はありませんし、利益が出ているだけでは2店舗目の出店は考えられません。やはり「人」が育たなくては次のステップは見えてこないと考えています。特に私たちはカナダという異国でビジネスをしているので、日本人スタッフにはビザの問題など色々な課題を抱えています。
またビザの問題がクリアになっても私たちと同じビジョン、同じ夢を持ち、同じ温度でビジネスを考えられるスタッフが育たないと意味がないと思います。スタッフは数ではなく、そういった同じ志を持ったスタッフが何人いるかの方が重要だと思います。私たちの店にも少しずつそういった同じ志を持ったスタッフが集まってきているので、今後の彼らの成長に大いに期待しています。
多くの企業では会社が大きくなってくると店舗数を増やす事がゴールになってきたり、チェーン展開、フランチャイズ展開を行い、会社を大きくしようとする企業が多いですが、私たちは現在はそのようには考えておらず、人材が育った時に次を考えればいいかなと考えています。以前にTV番組、カンブリア宮殿で「牛タンねぎし」の社長さんが出演されていましたが、人材育成が第一で店舗展開は次だという言葉を思い出しました。ねぎしは味も良く、サービスもいいので、もっともっと店舗展開できるだろうと世間は考えますが、社長は十分な人材がいないので、今の店舗数で十分だとおっしゃっていました。
経営理念として「共に学び、共に築き、共に進もう。そして共に幸せになろう。」という〝共にの誓い〟を掲げてらっしゃいますが、とても共感できる理念です。会社の利益だけ、店舗数だけにフォーカスするのでなく、スタッフと共に企業を成長させ、スタッフの幸せまでをも気遣う事はとても素晴らしいと思います。また人材教育を〝人財共育〟として掲げ、ねぎし大学と呼ばれるほどスタッフへの教育に力を入れている点もとても凄いなと思います。
私たちはまだスタートしたばかりの小さな会社ですし、これから色々と辛いことや大変な事があると思いますが、素晴らしいスタッフと共に一つづつ解決し、共に成長していければと思います。会社の成長、スタッフの成長、そして自分も成長できるように毎日元気に頑張りたいと思います。
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。