トロントの居酒屋風雲児 #10
#10 「郷に入れば郷に従え」
肌寒い日も多くなり、そろそろトロントの長い冬がやってきそうな気配がしています。今年の冬は寒くなるでしょうか?店をオープンして初めての冬になるので、このエリアの冬のビジネスが気になります。夏同様、忙しい営業になるようにもちろん期待していますが、冬対策を今から色々と練っていこうと考えています。
出店するエリアによってご来店されるお客様の年齢層や人種、売れるメニューやお酒の種類などは本当に変わります。今回はQueen St. WestのParkdaleと呼ばれるトレンディーなエリアということで20代30代の若いカナディアンのお客様に多くご来店いただいています。お洒落な服装で、全身タトゥーだらけの通称“Hipster”と呼ばれる流行に敏感な若者が多いのも特徴かと思います。以前の店舗では中国系のお客様とカナディアンのお客様が半々くらいのイメージでしたが、今回の店舗では圧倒的にカナディアンのお客様が多いです。
お酒を沢山飲まれるお客様が以前よりも多いのでカクテルなどが人気ですが、売れる商品がやはり以前と変わって来ているのを感じています。以前の店舗で人気だった商品が今回はあまり出なかったりする事もありオープンしてまだ3ヶ月ですが、すでにメニューチェンジも考えています。売れる商品をもっと売れるように改良し、売れ行きの悪い商品は売れるように改良する、もしくは売れる商品と入れ替えるようなメニューチェンジを行うことは飲食店では必要なことだと考えています。常にメニューの売れ行きを確認し、必要であればメニューチェンジを行い、常に商品のクオリティーも確認しながら商品の盛り付け、味のブラッシュアップも並行して行うように心がけています。
またご来店されるお客様の客層が変わればその客層にあった味付け、盛り合わせに変更することもあります。「郷に入れば郷に従え」とはよく言ったもので、その土地、その客層にあった物にする必要があると思います。もちろんお客様に媚びずに自分の作りたい物を作るという考えもありますが、ただ作り手の自己満足になるような事は避けるようにしています。




例えば大手チェーンのマクドナルドでもタイやベトナムではハンバーガーだけでなく、現地の日常食のご飯物の商品を販売したり、うどん専門店の丸亀製麺もベトナムではパクチーのトッピングがあったりと現地の方向けにローカライズしている点は私達のように海外で飲食店を経営している者には参考になります。私達も日本で食べているような居酒屋メニューを多く取り扱っていますが、現地のカナディアンが好むようにローカライズした商品というのもやはり必要だなと実感しています。
日本人からしたらありえないような組み合わせでも現地の方には受ける事も多々あるので、毎日の日替わりメニューで色々と試験的に販売しお客様の反応を見てメニューチェンジのアイデアを集めています。カリフォルニアロールのように日本の寿司屋で滅多に見ない商品でも海外では日本の代表的な料理として認識されるような大人気商品をいつか私たちも発明できないかなといつも試行錯誤しています。何か面白いアイデアあれば教えて下さい!!


小笠原 克 Ogasawara Masaru日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。





