トロントの居酒屋風雲児 #12 レストランの評価
レストランの評価
紅葉の季節は本当にすぐに終わってしまい、落ち葉だらけの道を見てなぜか少し寂しい気持ちになる今日この頃。今年の冬はかなり寒くなるという噂をよく聞きますが、本当に寒くなるのでしょうか?少しビビって新しいカナダグースを購入しようか現在悩み中の私ですが、皆さんは冬の準備は万端でしょうか?
本当に沢山の数のレストランが世界中にありますが、お客様からするとレストラン選びはなかなか大変な事かと思います。その手助けをするためにミシュランやYelp、食べログなど色々なグルメサイトやアプリがここ最近人気になっています。星の数で店のランクをつけたり、お客様の口コミや評価でランク付けされたり、お店に点数を付けたりしているので、お客様はその星の数や点数を信じてレストラン選びを行っているかと思います。
店のホームページを確認しなくても店の雰囲気やメニュー、料理の写真までもが掲載されているので、利用されている方も多いのではないでしょうか。しかし同じ店で同じ日に同じ料理を食べたとしても、美味しいという人もいれば、不味いという人もいるように、評価は人によってかなり変わってきます。なので、全ての評価や意見を鵜呑みにするのは良くないと思いますが、レストラン選びの手助けになっています。
しかし、評価される側のレストランスタッフはかなりのプレッシャーになっているのも事実かもしれません。私も昔は自分の店の評価やランキングを凄く気にしていた時期もありましたが、最近はあまり気にしないようにしています。良い評価だけでなく悪い評価ももちろんありますが、改善するためのアドバイスを頂いたと前向きにとらえ改善する事は必要だと思いますが、厳しい評価を頂いた時は正直へこみます。私のような居酒屋でもそうなので、星の付いているレストランのスタッフのプレッシャーは計り知れません。
今年の頭に世界最高のシェフといわれていたスイスのシェフが自殺をして世界的なニュースになりました。スイスには3軒しかないミシュラン3つ星の店の1つでフランス政府が世界一のレストランに選んだ事でも知られる有名なシェフでしたが、レストランを維持する重圧に耐えられなかったために自殺をしたのではないかと指摘されています。
もしかしたら世界一の座が危うくなるとか、星の数が減るかもしれないなど、プレッシャーに打ち負けてしまったのかもしれません。星の数や点数だけが全てではありませんが、シェフやスタッフはかなりのプレッシャーを抱えて仕事をしているはずです。レストランとしての評価かもしれませんが、シェフやスタッフなど評価対象は私達、人ですから、評価を目の当たりにするのも仕方ないかもしれません。昔からキッチンは体育会系で厳しく辛い、男の世界だと言われていますが、そんな世界でも心にゆとりを持ちながら、楽しく働ける環境になると嬉しく思います。
ワークライフバランス・仕事と生活の調和、が今後はもっと重要になってくると言われていますが、レストラン業界ももう少し働きやすい環境になると嬉しく思います。みんなお客様からの美味しかった、良いレストランだった、という言葉やお客様の笑顔を見るために頑張っていると思うので、優しく温く見守って、評価してもらえると嬉しいですね。私達もなるべく多くのお客様から良い評価を頂けるように毎日の営業を頑張るのみです。
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。