世界がアートで満たされていったなら第18章
第18章 「Roppongi Hills バブル崩壊乗り越え10年で変わったクリエーティブ東京!」
去る10月18日、六本木ヒルズが10周年を迎えた。ヒルズができた10年前を覚えているだろうか。バブルがはじけて10年、不景気の真最中だった日本。再開発で変貌を遂げた新しい街に大きな 衝撃を受けた人も多いのではないだろうか。現代美術作家の世界的巨匠として君臨している村上隆もちょうどこの頃大ブレークしたのだが、ヒルズの工事現場の柵にあったのは彼の描いた彩りの鮮やかな未来の六本木の姿だった。
なぜ六本木ヒルズが革新的であったかと言えば、単独のビルが建ち並ぶのではなく、「町」そのものができてしまったある所にある。ホテル、映画館、美術館、カルチャースクール、飲食店街、ショッピング、駅、居住地区、テレビ局、、、など。実は地下に自家発電のシステムがあり、ヒルズ全体の電力の供給もしている。まちそのものが居住空間と同居するという考えは、近代建築の巨匠ル・コルビジェが提唱したものだが、故森稔氏が大のコルビジェ収集家であった事からもヒルズへのビジョンが伺える。建築デザインに、コーンペダーセンフォックス、ジョンジャーディ、槇文彦など、スタイルの異なる複数の建築家を採用したのも大きな特徴だ。
六本木にはその後ミッドタウンや新国立美術館、サントリー美術館が建設され、アートの拠点という新しい側面が生まれた。そして六本木アートナイトという町(主催は東京都)をあげてのお祭りも開催されるようになった。
10周年を記念して、森美術館ではアウトオブダウト展という展覧会も開催されている。既存のしきたりや普通にあった社会システムは、実は間違っていたのではないか、このままでいいのか、、、といった疑念を東日本大震災後多くの日本人が感じている。日々を生きながら、そういった疑念を肯定、あるいは、新しいシステムを構築して未来へと進んで行けるのか、そういった観点で選ばれたアーティスト達が出展している。同時に、シンポジウムの開催、国際映画祭の開催、そして「考えよう。」という六本木ヒルズの今後10年へ向けた、今、「やっぱり考えなきゃいけない」でしょ!(笑)というキャンペーンが開催され、各方面のクリエーター達の「?」がヒルズ中に張り出された(僭越ながらぼくも参加しました(http://think.roppongihills.com)。
アート、B級グルメ、地元伝統産業、ライブイベントで日本全国が盛り上がっている。過疎化の村、被災地、大都市、地方都市。アートがB級グルメと同じく価値があると日本国内で認められ始めたのは、一翼を担うものとして嬉しい限りだが、これからはそのコンセプト、内容や質、またアーティストや専門家だけでなく、どう一般市民が自主的に継続するのかが鍵となってくるだろう。会場確保、スポンサー探しや 出演者の選定など、課題はひしめき、一筋縄でいくものでは無い。どこの国ででも同じ事だが、特にトロントは、新しいお祭りやアートイベントを即実践できるすばらしい環境であると思う。ぼくたちの街も盛り上げて行きましょう!!ヒルズ10周年おめでとうございます!!

oil on canvas,
2013, 127 x 37.5 cm
Todady’s his Work
シンガポールに約一ヶ月半滞在して制作されたBeautiful Singaporeのシリーズの作品。
武谷大介 Daisuke Takeya
トロントを拠点に活動するアーティスト。現代社会の妥当性を検証するプロセスを通じて、その隠された二面性を作品として表現している。ペインティング、立体作品、インスタレーションなどその作品形態は多様で、国際的に多岐に渡る活動を展開。展覧会に、くうちゅう美術館、石巻線アートリンク、OuUnPo ゴジラと不死鳥、六本木アートナイト2013、福島現代美術ビエンナーレ2012、 MOCCA、 国際交流基金トロント日本文化センター、在カナダ日本国大使館、プーチコーブファンデーション、ニュイブロンシュ(2006,2007)、六本木ヒルズクラブ、森美術館、京都芸術センター、ワグナー大学ギャラリー、SVAギャラリー、ソウルオークション、在日本カナダ大使館内高円宮殿下記念ギャラリー、北九州市立美術館アネックス、セゾンアートプログラム/セゾン現代美術館、テート東京レジデンシーなどがある。
その他の活動に、大地プロジェクト共同ディレクター、遠足プロジェクトキュレーター、女川アートシーズン実行委員、明日:アーティストフォージャパン共同ディレクター、元アートバウンド大使 、元日系文化会館内現代美術館プログラミングディレクター、元にほんごアートコンテスト実行委員長、元JAVAリーダーなど、アートを媒体としたコミュニティーの活性化に取り組んでいる。 カナダでのレプレゼンテーションは、クリストファーカッツギャラリー(www.cuttsgallery.com)、 著書に「こどもの絵(一茎書房)」がある。
www.daisuketakeya.com








