世界がアートで満たされていったなら第19章
第19章 「2014年は Year of the Horse」
今年も残すところあとわずか。師走になるとなぜせわしく感じるようになるのだろう。やり残した今年の目標、来年に持ち越したくはない。いや、もう潔く諦めて、気持ちを切り替えて来年に望もう。。。うーむ。年末最後の大仕事と言えば、グリーティングカード(クリスマスカード)や新年に送る挨拶状である年賀状。日頃お世話になった方達への感謝の気持ちを込めて書かれたカード。海外に長期滞在の場合は?皆さんはどうされているのでしょうか。Eメールでのグリーティングはワンタッチで作れて嬉しいが簡単にできる分カスタマイズが難しい。プリントゴッコでオリジナル年賀状を家庭で印刷していた時代が懐かしい。
来年の干支は午(うま)。年賀状デザインで試行錯誤の方も多いのでは? アートの中でも馬は人気アイテム。もっとも有名な作品だとレオナルド・ダ・ヴィンチの巨大なブロンズ像だろう。ミラノ公国摂政ルドヴィーコ・イル・モーロが1482年にレオナルド・ダ・ヴィンチをミラノに招きコミッションしたとされるこの作品。2人の存命中に完成する事は無かったが、15年以上のレオナルドの馬の研究の成果は多くのドローイングや壊れてしまったが雛形として制作された(数世紀後の世の彫刻家によってブロンズ像も制作された。)。
最近では、流木を繋ぎ合わせて実物大の馬の彫刻を制作しているヘザー・ジャンシュが、あまりにリアルだとネット上で話題になった。ロンドンのゴールドスミスという世界的な美大では、かなりの不評だった彼女のリアリズム作品は現在では制作が間に合わないほどの人気となっているらしい。
日本でも馬は人気アートアイテム?みなさんも一度は絵馬に願い事を書いた(描いた事)があるはず。競馬などの大人気業種はあってもアートの文脈で馬にこだわっている人あまりいない、と思っていたら名古屋にいました(笑)。森部英司というアーティスト、今年くうちゅう美術館に参加して知り合ったのだが、ペインティング、パフォーマンス、ビデオ、何でもやる人なのだが、全てが馬についての作品。乗馬してペインティングしたり、馬の上で直立、というパフォーマンスから、日本中で馬の文字がつく場所を回ってみたり(高田馬場など)、ととにかく馬大好きアーティスト。昔馬のインストラクターを何年かやってその魅力に取り付かれたとのこと。。。なるほど、彼くらい馬に惚れ込んで考えられれば来年の年賀状は大丈夫そう(笑)。
トロントでも馬は大人気。街中のおまわりさんも馬に乗っているし、最近メディアで話題にあがった競馬場もあります。来年8月にAGOで予定されているアレックス・コルヴィルの個展。アーティストは今年なくなってしまいましたが、彼の代表作の一つが1953年作のHorse and Train。汽車に対峙する黒い馬の躍動感にコルヴィルの筆力のすばらしさを感じる事ができます。
残りの2013楽しく過ごしましょう。みなさん、 今年もお世話になりました。来年も馬く乗り切っていきましょう(さむっ)!!
Todady’s his Work
トロントのMOCCAで展示された、津波で被災した家屋を再現したインスタレーション。カナダで津波の恐ろしさは映像でしか見る事はできないが、実際に津波の来た高さまで鑑賞者に登ってもらう事で、他人事でない自分の感覚で震災を感じてもらおうというもの。
武谷大介 Daisuke Takeya
トロントを拠点に活動するアーティスト。現代社会の妥当性を検証するプロセスを通じて、その隠された二面性を作品として表現している。ペインティング、立体作品、インスタレーションなどその作品形態は多様で、国際的に多岐に渡る活動を展開。展覧会に、くうちゅう美術館、石巻線アートリンク、OuUnPo ゴジラと不死鳥、六本木アートナイト2013、福島現代美術ビエンナーレ2012、 MOCCA、 国際交流基金トロント日本文化センター、在カナダ日本国大使館、プーチコーブファンデーション、ニュイブロンシュ(2006,2007)、六本木ヒルズクラブ、森美術館、京都芸術センター、ワグナー大学ギャラリー、SVAギャラリー、ソウルオークション、在日本カナダ大使館内高円宮殿下記念ギャラリー、北九州市立美術館アネックス、セゾンアートプログラム/セゾン現代美術館、テート東京レジデンシーなどがある。
その他の活動に、大地プロジェクト共同ディレクター、遠足プロジェクトキュレーター、女川アートシーズン実行委員、明日:アーティストフォージャパン共同ディレクター、元アートバウンド大使 、元日系文化会館内現代美術館プログラミングディレクター、元にほんごアートコンテスト実行委員長、元JAVAリーダーなど、アートを媒体としたコミュニティーの活性化に取り組んでいる。 カナダでのレプレゼンテーションは、クリストファーカッツギャラリー(www.cuttsgallery.com)、 著書に「こどもの絵(一茎書房)」がある。
www.daisuketakeya.com