Interview of the month Dec 2014
第18回Toronto Reel Asian International Film Festivalに 出品された痛快コメディーアクション映画『Awesome Asian Bad Guys』。過去にアクション映画で悪役として活躍したアジア人俳優が集結!! その中で極悪おちゃめな悪役を演じたアーロン・タカハシさんに直撃インタビュー!
アメリカでコメディードラマ、CMを中心に活躍する日系アメリカ人俳優アーロン・タカハシさん。映画での悪役からは想像できないくらい優しくて気さくなアーロンさんに俳優業のみならず日系アメリカ人であることについてもお伺いしました。
Awesome Asian Bad Guys
awesomeasianbadguys.com
この映画に出てくる役者の殆どを見たことがあるような気がする。それもその筈!!1980-90年代のアクション映画で悪役として登場し、数分間でその出演を終えてしまうAsian Bad Guys。今回はThe National Film Societyを立ち上げたPatrick氏とStephen氏により、かつて悪役として活躍した役者を集めてコメディ映画を創りあげた。悪役ばかりを演じていた彼らがいかにAwesomeか、どんな笑いが生まれるのか一見の価値有り。
今回Toronto Reel Asian International Film Festivalに参加した感想
トロントは今回が初めてですが、すごく気に入りました。人はフレンドリーで助けてくれるしすごく素敵なところだと思います。それに今回参加したToronto Reel Asian International Film Festivalは僕の住んでいるロサンゼルスでも似た映画祭がありますが、トロントでの映画祭の方が国際的に感じます。例えば今回のトロントアジア国際映画祭は北米からだけではなくアジアの多くの国々が参加していますが、ロサンゼルスではアジア諸国からの出品はごくわずかで、アメリカ出身のアジア人による映画ばかり出品されています。その違いがとても興味深いですね。
映画『Awesome Asian Bad Guys』について
この映画では80年代と90年代のポップカルチャーが反映されているので、多くの若い世代の人達には少し分かりづらいところもあったかもしれません。しかも今回出演していた俳優達は、2、30年前の映画で悪役を演じていた人達です。映画に出てきて間もなく殺されてしまうような役を演じていたので、知る人ぞ知るという感じの俳優が出演している映画なのです。だからこの映画の中では、過去に大きな活躍が出来なかった俳優達への尊敬の気持ちをこめて作られた映画でもあるのです。映画の中では、もちろん僕が出ているシーンに注目してほしいです(笑)、特にアクションシーンに注目してほしいです。俳優達はもう若くないですが動きにはまだキレがあります。おもしろいシーンに仕上がっているので楽しんでほしいですね。
悪役を演じてみて
最高に楽しかったです。でも実生活では、僕はすごくいい人ですよ(笑)。普段はコメディーが多く、その中ではいい人やちょっとダサい感じの役を演じるのですが、悪役を演じることで普段とは正反対の自分になれるところが非常に楽しかったです。演技上難しかったことは面白く悪役を演じることです。普段コメディーが中心で単純に笑わせる役が多いのですが、それが違和感なく悪役に融合できているかということが大切でした。キャラクターとしてただ単に面白くすることは簡単ですが、悪役と面白いキャラクターが矛盾しないようにすることは大変でした。今後も悪役を演じてみたいとも思いますが、見ている人達に僕が悪い人だっていう印象は持ってもらいたくないですね(笑)。
俳優という職業
僕は昔から人を笑わせることが好きでした。俳優になればそれをすることが可能になるし、それでお金を稼ぐことができます。家族にはよく静かで恥ずかしがり屋っていわれていましたし、家の中ではあまりうるさくできませんから。でも俳優になればジョークもたくさん言えますし、おもしろいことや変なことをしても怒られないから素敵な職業だと思います。
日系アメリカ人であることと俳優業
俳優を目指すきっかけになったような特別なインスピレーションを受けた俳優はいません。ただ、僕が俳優を志す前は、アジア人の俳優をテレビで見かけることはあまりありませんでした。なので『スタートレック』でヒカル・スールー役を演じたジョージ・タケイは僕にとって少し特別な印象が残っていて僕にとってのアジア人俳優の代表的存在です。今では若手の俳優達が僕の出た作品を知っているなどと声をかけてくれるのはすごく嬉しいです。特にアジア系アメリカ人の有名な俳優といったらその多くが韓国人ですので、日本人としてこれだけ成功できたのは光栄に思います。それに、これからもっと多くの日系人俳優が出てきてほしいと願っています。そのために僕が出来ることがあれば、進んで協力したいですね。
俳優をしていて大変だったこと
実はあまり大きな障害にぶつかったことはありません。普段から役について勉強し、台本をしっかり読み込み、その中で何かわからないことがあれば監督と話をしてイメージを明確にしているからだと思います。逆に俳優をしていて最高の瞬間は、撮影で海外に行ったとき仕事とバケーション感覚を同時に楽しめたことだと思います。2年前に別のアクション映画の撮影でプエルトリコへ行ったときは最高に楽しかったです。そのときは毎晩のようにピニャコラーダを飲みました(笑)。
映画とCM出演の違い
CMに出演するときは、15秒や30秒の短い時間の中でキャラクターを作り出すことになるので映画より難しいですね。例えば映画では長い時間内でキャラクターが成長していったりするのでより深くキャラクターを伝えられますが、CMは短い時間内で伝えなくてはいけないのが大変だと思います。ですがCMは人の印象に残りやすく覚えてもらえるので、映画に出演するのも好きですがCMで演じるのはとても楽しいです。
TORJA読者へのメッセージ
もし叶えたい夢があるならそれをぜひ追いかけてほしいです。もしかしたら叶えるまでにすごく時間がかかるかもしれないし、やらなければいけないこともたくさん増えてくると思うけれど、やりたくないことをやるよりもずっと良いと思います。僕も俳優を目指すと決めたとき俳優になることだけに焦点を当てていたように、シンプルだけど夢を追うことを忘れないでほしいです。
アーロン・タカハシ
俳優、スケッチコメディ作家、パフォーマーとして活躍する傍ら教師として教壇に立つこともある。50作以上のアメリカ国内CMに出演し「The Big Bang Theory」や「The Mentalist」を始めとした多くのテレビドラマにも出演している。映画出演作は「Yes Man」、「Welcome to Jungle」など。2015年には「Wedding Ringer」、「Sin City Saints」に出演予定。
Translator: Miyabi Sekine (関根 雅) 日本では外語大で英米語専攻。1年間の休学を通して自分磨きの修行のためにワーキングホリデービザで渡加。現地の学校で通訳翻訳を学ぶ。将来は日本だけでなく海外で活躍できるようになることが目標。
Canpacific College: canpacificcollege.com/