NYX E・CIGARETTES社長 Tony Luインタビュー [Interview of the month]
受動喫煙などの被害を抑えたり、タバコに含まれる有害物質そのものが少ないなど、様々な利点があるe-シガレット(電子タバコ)。メンソール味を始め、タバコ味、フルーツ味など約2000種類に及ぶe-シガレットを販売する実業家トニーさんに起業の道のりや今後の展望を伺った。
NYX E・CIGARETTESを設立しようと思ったきっかけは何でしたか?
私と私のビジネスパートナーは二人とも喫煙者で、もう10年以上紙のタバコを吸っていたのですが、ある日e-シガレットのことを知り、タバコの代わりに試してみることにしたのです。実際に使ってみて、初めて電子タバコでもニコチン入りのものがあることや、タバコの葉を燃焼させる必要がなく有害物質が少ない、受動喫煙のリスクを抑えられるなど、体にいいという事実が従来の紙のタバコに比べて幾つもあることが分かり、それで自ら販売を始めることに決めました。
事業を進めていく上で、大変だったことなどはありますか。
2013年に会社を設立したのですが、事業が軌道に乗るまでは、まるでジェットコースターのように上がったり下がったり不安定な時期もありました。解決すべき小さな問題点がたくさん出てきたり、企業をどう成長させていくかという新たな一手を考えるなど、数年間は苦労が続きました。でも結果的にそれらの経験は人生の教訓にもなり、今ではいい経験だったと言えますね。
私は数々の失敗から多くのことを学ぶことができました。例えば店の経営者にとっては、店のレイアウトやどのように商品を目立たせるかは非常に重要な点です。店舗を増やすにあたって、もっとこうした方が売れやすいなど徐々に経験を生かしていきました。また今の時代、SNSを使ったマーケティングは重要な戦略の一つです。特にこれから事業を始めたいと考えている人には切っても切れないほど、大切なマーケティングツールであると思います。FacebookやInstagramなどは私たちもここ最近特に力を入れています。
トロントは多くの移民が住むマルチカルチャーな都市ですが、トロントでビジネスをする強みは何ですか?
多様性に溢れたこの街でビジネスをするメリットは、クライアントがそれぞれのコミュニティでお店のいい情報を交換しあってくれれば、そのコミュニティでの市場が大きくなっていく見込みがあることではないでしょうか。人種ごとのコミュニティが持つ口コミの力は非常に大きいと感じています。
私たちの販売するe-シガレットに関しては、顧客層も多岐にわたりますし、みんなタバコの代用となる体にも優しい製品があると知れば、それだけ多くの人に自分達の商品を広められる可能性があります。また、カナダの政府はアメリカなどの他の国の政府に比べて、カナダ内の企業を応援しようという優しい空気が流れていると感じています。たとえそれが大企業でも小企業であってもその気風は同じです。
ご自身の経験から、夢を実現する上で大切なことは何だと思いますか。
ビジネスを成功させることに関して言うのであれば、私が最も大切だと思うのは、熱心に努力し、どんなに辛いことがあっても自分を信じ続け、さらに自分の夢や販売する商品を信じることですね。そして辛い時や落ち込んだ時、自分のモチベーションを維持する為に、時に人に助けを求めることも大事です。私もたくさんの問題や困難に直面してきましたが、仕事上のパートナーや家族、親友たちに支えられながらモチベーションを維持してきました。
日本にもeシガレットを輸出するそうですが、今後の展望を教えてください。
日本ではe-シガレット産業も徐々に盛んになってきており、大きな需要があると見込んでいます。実際に2016年のe-シガレット売り上げは約400万ドルに上るそうです。私たちは今後も日本はもちろん、他の国にもこの商品を広めていきたいと思っています。そして私たちは北米で製造された様々な種類のe-リキッド(e-シガレット使用時に使う液体)も販売しているので、それらも同時に世界に広めていきたいと思っています。
最後に、TORJAの読者にメッセージをお願いします。
人はそれぞれなにか関心を持っているものや熱心に打ち込めるもの持っていると思います。そういった自分の情熱を捧げられる場所に身を置くことが大切です。働くところを探しているなら恐れずに周りにどんどん相談して探すなどプロアクティブに行動し、自分の能力をどんどん伸ばしていってください。
Tony Lu
20年以上前にトロントへ移住。2010年にウォータールー大学を卒業後、事業を設立。Finch駅から徒歩約5の場所に位置するNYX E・CIGARETTESでは、メンソール味始め、女性が吸いやすいフルーツ味まで、様々な種類のeシガレットを販売。店頭では様々な種類のeシガレットをテイスティングすることができる。
nyxecigs.com
翻訳: 喜屋武南希
海外で多文化に触れながら語学を学びたいという思いから大学を休学しカナダへ留学。CanPacific Collegeではバイリンガルプログラム、ビジネスプログラムにてディプロマを取得。翻訳関連の仕事につくことを目指し日々勉強中。
CanPacific College: www.canpacificcollege.com
私が通っていたバイリンガルコースでは、通訳翻訳の基礎を習得するだけでなく、語彙力、リスニングやスピーキング力を向上させることができます。TORJAでインターンをする上では、プログラムの一つでもある街頭インタビューで経験した本番さながらの通訳演習が非常に役立ったと感じています。