Interview of the month December 2015
今年10月、ブルックリンにオープンした食べられる博物館
Museum of Food and Drink
創設者兼代表取締役のDave Arnoldさんインタビュー
Dave Arnold
当時料理学校がほとんどなかった時代にニューヨーク、SOHOにあるFrench Culinary Institute(現International Culinary Center)にDepartment of Culinary Technologyを開設し多くの若きシェフたちを指導してきた。CNNはDaveを大きな影響力を持つ飲食会のVanguardと表現し、テレビやラジオにも多数出演している。他にはBooker and Daxというバーを経営し、そこでも食についての研究、実験を行っている。
なぜこのような博物館をオープンしようと思ったのですか?
食事というのは私たちの生活に密接に関係しています。私たちの歴史があるだけ食にも歴史があり、地域ごとに文化が違い、科学の発展とともに技術も進化してきました。それなのに、なぜアメリカ自然博物館のように学べるところがないのだろう、と単純に思ったからです。学校で学ぶことはできますが、それはシェフを目指す人のためであり、お金も時間もかかってしまうので一般の人には敷居が高すぎます。食べることが好きな人が気軽に勉強・体験できる場所を作りたかったのです。
博物館の目的、活動について教えてください。
もちろん食について知ってもらうことです。正しい知識を身につけることで安全、健康、環境に優しい食事について自分で考え、行動することができます。他にも食品の製造について、食材の流通経路、それらが経済に与える影響など実はいろいろなことが関係しているのだということに気がついて欲しいですね。また各地域の食文化、技術の保存、継承やこれからの時代を担う新しい食文化の創造の手助けになればと思っています。それから現在Flavor: Making It and Fakingという初めてのエキシビジョンを行っていますが、今後博物館の外に出て、イベントや学校などで子供達が食について考え学ぶきっかけを与えられるようになりたいです。
見て、聞いて、読んで、嗅いで、 食べて学ぶ博物館
食べられる博物館ということですが、実際はどのような展示になっているのですか?
現在のエキシビジョンでは化学調味料と自然な味をテーマに展示が行われており、食べ比べができるようになっています。例えば本物のバニラビーンの味と科学的に作られたバニラの味、きのこ、海藻、チーズなど別の食材から作られた旨味調味料の食べ比べなとです。他にも食について知る上で大切な匂いに関する展示も行っています。本物のレモンやブドウの香りと科学的に作られた香りの嗅ぎ分けやより香りを良くするために追加された匂いの嗅ぎ分けなどです。スカンクの匂いを足すと安いコーヒーでも豊かな香りになるって知ってました?そのような現代に潜む食の裏側も体験できるようになっています。
(右)19種類の匂いを体験できるSmell Synth
人気またはおすすめの展示はなんですか?
それは香りを作り出すSmell Synthです。用意された19種類の香りを自由に組み合わせることができるようになっています。例えばパンケーキとチーズ、除光液とアーモンドエッセンスなど、えっと思うような組み合わせで思わぬ美味しい香りができるかもしれませんよ。これは特に年齢を問わず楽しんでいただけると思います。
食に興味を持つ読者にメッセージをお願いします。
まず食べることは楽しいことだということを知っているのならそれで十分です。ただ何をどのように食べるかは個人の自由ですので他人を批判しないようにしてください。文化や歴史的背景が違うだけかもしれません。自分でいろいろな食材を違う調理方法で食べて考えて、何を食べるかしっかり選べるようになってください。
Museum of Food and Drink
62 Bayard St, Brooklyn
718-387-2845 / www.mofad.org
現在のエキシビジョンFlavor: Making It and Fakingは2016年2月末まで開催予定。
Translator: Keiko Horibe
語学力向上の為、大学を休学してカナダへ。語学学校で基礎英語力を磨いたのち、CanPacific Collegeで通訳翻訳プログラムを修了し、より深い日本語、英語力を身につける。カナダで経験したことを活かし国際的に活躍できるようになることが夢。
CanPacific College: www.canpacificcollege.com