【第八回】在留資格「日本人の配偶者等」の取得⑤|ACROSEED|知って安心!海外と日本をつなぐ法務サポート

来日後に、もしも離婚したら
カナダ国籍者が「日本人の配偶者等」で来日した後、もし離婚することになった場合どうなるかについてご説明します。
在留資格の「日本人の配偶者等」は、読んで字のごとく「日本人と結婚しているから日本での滞在を許可しますよ」というものです。そのため、もし離婚をしたのなら、当然にその日以降は日本への滞在は許可されないことになります。通常は現に有する「日本人の配偶者等」の在留期間が数ケ月~数年間は残っていると思いますので、その間にカナダに帰国するか、日本に滞在するために他の在留資格へと変更を行う事となります。
ちなみに、「日本人の配偶者等」で滞在する外国人には「配偶者に関する届出」義務が定められています。これは、配偶者と離婚した場合、死別した場合は、14日以内に出入国在留管理庁長官に対しその事実を伝える必要があるというものです。届出自体はインターネットでできますので、離婚がわかる戸籍謄本などを添付すればすぐに完了します。
離婚は決まったけどすぐに次のアクションを起せないという人が、時々意図的にこの届け出を出さないケースがありますが、絶対に辞めた方が良いです。というのは、大抵の場合は、次の更新時に出入国在留管理庁局から呼び出しを受け、「今まで何やってたの?」という事を根掘り葉掘り聞かれることになるからです。当然、その次の在留手続きにも悪影響を与えます。
さらに、現在では「在留資格取り消し制度」なる制度もできています。「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する者が、その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合には、出入国在留管理庁局は現在所持する在留資格を取り消すことができるというものです。
ただし、「取り消そうと思えばできるけど、やらない事もあります」というスタンスです。「入院していて届け出ができなかった」、「DV被害を受けて配偶者から逃げていた」などの正当な理由があれば、まず取り消されることはありません。しかし、意図的に届出をしていない場合は、取り消される可能性が十分に考えられます。なので、14日以内の届け出だけはすぐにやっておいたほうが良いかと思います。
さて、「離婚した後に日本に残りたい場合はどうするか?」ですが、残された家族構成により選択肢が変わってきます。まず、お子さんがおらずカナダ国籍者が1人だけ日本に残った場合、日本人と結婚して日本に住んでいた期間が5年前後あるのであれば「定住者」という在留資格に変更できる可能性があります。5年という期間は明確なものではなく、最低でも3年あれば変更申請が受付はしてもらえるかな…といったところです(結果は別ですよ)。中には8年住んでいても不許可となる人もいますし、3年でも許可となっている人もいます。要は日本社会にどれぐらい定着性があるかが一番の判断基準となっています。
次に日本国籍のお子さんがいる場合ですが、これであればすぐに「定住者」で滞在できる可能性が高いと言えます。日本政府としても日本国籍の子を親なしで放置するわけにはいかず、その親権者の滞在を認めないわけにはいきません。ただし、生活の基盤となる収入証明は細かく聞かれ、継続的に安定した生活が営めると認められない限りは許可されませんのでご注意ください。
最後に、お子さんもいないし、日本に3年も住んでいないという場合です。このケースでは、自力で就労系の在留資格を取るしかありません。どこかの会社に勤務して「技術・人文知識・国際業務」を取得するか、資本金3000万円と従業員1名の雇用で「経営・管理」をとることになります。現実的には英会話講師などで一時的に在留資格をつないで、チャンスをみながらステップアップしていくことが多いかと思います。
離婚は誰の身に起きても不思議ではありません。生活環境がガラッと変わり一時的には大変な思いもしますが、日本での滞在に関しては何とかなることが多いと思います。このような時には、ネットや友人の話を鵜呑みにするめに、まず専門家にご相談頂ければ幸いです。






