日本でも多くの方に 共感してもらえた「TAD Method」の考え方|オリンピック選手もサポートするカナダ公認マッサージ・セラピストが教える身体と健康【第97回】

4週間ほど前に、長年クリニックに通ってくれているカナダ国立バレエ団のプリンシパルダンサーから「白鳥の湖」公演初日の主役、オデット姫のコンディションが悪くて困っているので紹介しますと連絡がありました。カナダ国立バレエ団には、治療施設もあるので、私の所に紹介されてくるということは厳しい状況にあることが予想されます。今回の白鳥の湖は昨年リタイアしたアートディレクターの新しい演出の大人気Soldout Showなので緊張が高まりました。

なぜ、カナダ国立バレエ団の治療施設のセラピストが直接私に多くのダンサーを紹介してくるのか?
私が優れているということではなく、問題解決に対する考え方やアプローチの方法が全く違うからです。また長年サポートしてきた多くのダンサーたちが私のアプローチや実績について、治療施設のセラピストにアピールしてくれてきたので、直接面識はありませんが、私に向いているケースの場合は、すみやかに紹介してもらえる流れが出来上がっているのです。
体が柔らかそうに見えるバレエダンサーがなぜ怪我をするのか?
この答えは多くのバレエダンサーの体は、実は柔らかくないから!です。
白鳥の湖のスワンを観ていても肩甲骨が外れそうなくらい、関節が柔らかいのに体が硬いとはどういう意味か?と言うと、バレエダンサーの体は、確かに一般の人の体と比較すると柔らかそうに見えます。プロになる様なバレエダンサーは幼少期から体の動きや筋肉を作り上げてくるので、一般の人がストレッチやヨガなどで努力して作り出すレベルの関節の動きや柔らかさは皆持ち合わせています。

問題はバレエダンサーたちの関節のコンディションは一般の人の関節の動き以上の可動域を備えているために、一般の人には起こり得ない部分に疲れ(硬さ)を溜めてしまうことです。
つまり、バレエダンサーたちの硬さ(疲れ)は一般の人と全く違うところに存在するので硬さが見えにくく本人も自覚がないケースがほとんどなのです。ココを理解しないで体を動かしていると大きな怪我になったり、もしくは長年放置されてしまいます。
「Number Web」の記事はこちらから➡https://number.bunshun.jp/articles/-/853279

「TAD Method」
■ 自分のテクニックを過信せず、個々の体に合ったベストなアプローチを提供
決まった方法でなくケース毎の対応が大切なので、テクニックというより30年の経験が土台です。バレエ、フィギュアスケート、サッカーなどの分野においては、それぞれのレベルの選手が、このタイミングで何を目指し、コーチに何を言われ、本人が何を感じ、体はどのような状況にあるか、を経験から判断し問題が起こる前に予防対策を実行します。
■ 一般の方が日々悩まされる問題の解決にも応用
長年にわたって問題点を見つけられず、的確な改善策が行われていない可能性が高いです。「TAD Method」は慢性化した問題点の原因を見つけ改善するのに適しています。
天才的な才能がいきなり失われたと考えるより、体に疲れが溜まって本人が思うように体が動かせず、その事自体にも気がついていない可能性が高いです。「TAD Method」は関節の可動域を始め、体の基本動作が正確に出来る様にすることからスタートします。
一つの大きな原因がなく、いくつかの問題が複合的に発生している問題の可能性があります。一つ一つ問題点を明確にして、突き詰めていくのも良い方法です。
話を戻して…白鳥の湖のオデット姫がどうなったかというと、公演初日までの4週間、リハーサルの合間をぬって出来るだけ通ってもらい、なんとか本番に間に合いました。痛みのある足でブラックスワン気迫の連続ピルエットは拍手が鳴り止まないくらい観客を沸かせました。





