カナダの大学生は、今。「課外活動」| COVID-19パンデミックダイアリー
(上:昨年学科公演に出演した時の私。下:Dresserとして働く私。どちらも大事な仕事です。)
みなさんお元気ですか。私は、そよ風が気持ち良いので湖の近くで散歩をよくしています。(ウソです。この時期は虫が多いのであまり行きません。)
前々回の記事で少し触れた課外活動について今回は書きます。
クィーンズ大学の演劇学科では学内の公演に裏方クルー(衣装、照明、音響等)とキャストをはじめとしたクリエィティブ部門でそれぞれ実習をする授業があります。基本的に演劇専攻の生徒はどちらの授業も必修科目です。他大学とは違い専門分野を決めないので、演劇を様々な側面から勉強できて良かったと言う卒業生も少なくありません。実際に講演に参加することで仕事内容だけでなく、チームワークやリーダーシップについても学ぶことが出来るのでとても良い経験になります。
今年の3月、私は公演を3つ掛け持ちしていて、
- 学科公演でDresserのリーダー(主に小屋入りから公演期間中の衣装の管理)
- Student Societyでの公演でキャスト
- Department of Arts and Science主催の公演でキャスト
をしていて、全て単位として認められる活動でした。
この他に撮影の仕事も持っていたので毎日とても充実していました。休校の連絡がきたのもちょうど撮影の休憩でスタッフさんやキャストたちとランチを取っているところでした。
結果から言うと、休校決定前に終わっていた学科公演以外全て公演中止になりました。
他のStudent Societyでは休校発表の翌日の土曜日のみ公演をしたところもありますが、席数を大幅に減らしたり除菌や劇場前の共用スペースを立ち入り禁止にしたりして徹底的に感染予防をした上での公演でした。
私が参加していた公演の中にはライブ配信を試みたところもありましたが、学
内の施設も全て閉鎖してしまったので結局できませんでした。4月で卒業した学生もいるので今後再演ということもないでしょう。
私は元々あまりアウトドアではないので、自粛生活で外に出れないことよりも、今まで創ってきたものが発表する場もなく無くなってしまったのが精神的に辛かったです。
当初は夏頃には落ち着いてFringe Festivalに参加できたら良いなと思っていましたが、翌年までの延期が発表。5月にも学科主催のミュージカルに出演予定でしたがそれもキャンセルになりました。
また、来学期の授業も全てオンライン・学内の公演は全て冬学期への延期が発表されました。
今はZoomを利用した演劇も多くなってきましたが、やはり舞台のライブパフォーマンスとは違うもの。いつの日かまた前のようにパフォーミング・アーツが楽しめる日が来ることを願うばかりです。

渡邉千尋 Chihiro Watanabe
大学入学後、プリンス・エドワード島大学へ交換留学。翌年高円宮記念クィーンズ大学奨学生としてオンタリオ州へ。現在も同大学にて演劇を学ぶ。学内外の演劇活動にも積極的に参加。強くて美しい素敵な女性になるのを目標に日々奮闘中。