Glass Half Full #12 最終回 水が入るグラス
若い頃からチャレンジ精神が強く色んな事に挑戦してきたためか「怖いモノ知らずですね」と言われる事がよくあります。そう言われた時私は決まってこう言い返します。「怖いモノが何か知っているからこそ色んな事に挑戦出来るんです」と。
将来何がしたいのか、どうなりたいのか、人生の入口が中々見つからず途方に暮れ不安に思う。また目指しているモノが明白にも関わらず、中々その入口に辿り着けずに苦しむ。そんな「入口」の存在に悩ませられがちな私たち。しかし目の前にある入口ばかりに気を取られている私たちは、肝心である「出口の存在」の確認を怠りがちです。出口の確認をせずに足を踏み入れてしまうと、私たちは永遠に、人生という迷路に迷い続けてしまいます。そして私が一番恐れているものは「終わりが見えない始まり」です。終わりの存在があるからこそ、永遠に続かないと知っているからこそ、始まりは私たちに希望を与えてくれるのだと思います。
何かを始めた時、あなたはどう終わらせるか考えていますか?
入口は「始まり」で出口は「終わり」と勘違いしていませんか?
新しい人生の入口を開くことが「挑戦」であり、きちんと出口を閉めることが「責任」であると私は思います。そして予定外の出口、つまり人生の非常出口を使うことを「妥協」と呼び、正しく思い描いた出口に辿り着くことが、本当の「達成」と呼ぶのではないでしょうか。非常出口であろうが、正しい出口であろうが、今まさに開こうとしている出口を責任を持って閉じない限り、次の入口を開け新たな挑戦を迎えることは困難だと思われます。思い出して下さい。留学を決める前に私たちは何かしらの出口を閉じてきたはずです。
一歩踏み“入れる”時の「気合い」は無責任でもいいのです。しかし一歩踏み“出す”時は「責任ある勇気」と共にしっかりと踏みしめて下さい。
私のコラムGlass Half Fullを1年間愛読して頂きありがとうございました。Glass Half Fullのストーリーは第1話で話したのですが、半分水が入っているグラスをあなたはどう捉えるかということです。「半分空のグラスGlass Half empty」それとも「半分水でいっぱいのグラスGlass Half Full」なのか。
私は女性であり、26歳であり、未婚であり、カナダで生まれていない移住者であります。しかしそんなことは関係ないんです。どんなに固定概念を押し付けられ、否定され続けられようが、どんなに困難な状況に直面しようが、ポジティブなGlass Half Fullの思考を持ち続けて下さい。そして一番大切なことは、半分水でいっぱいであろうが、半分空であろうが、グラスの存在があり、そこに水を入れることが出来ることの有難さに気が付くこと、つまり夢を描き続けそれに挑む事が出来る「命」がある事に感謝することです。コラムを通してたくさんの皆さんと繋がる事が出来ました。ありがとうございました。
Nana Akimoto
– Teashop 168 Annex店 オーナー兼店長・モデル
1987年横浜生まれ。2007年にカナダへ留学。Georgian College卒業後、某スポーツバーや日本食レストラン等でマネージャーを勤める一方、モデルとしてカナダの新聞や雑誌をはじめ、シンガポールとベネズエラの大手出版社との撮影もこなす等、国際的に活躍もしている。2013年初夏にはバブルティーフランチャイズチェーンで知られるTeashop168 のAnnex店を展開し、今現在オーナー兼店長を勤めている。将来自分のレストランを開けることが夢である。