『赤毛のアンの舞台』世界で一番美しい島「プリンスエドワード島」 | H.I.S.オススメ オトナの旅
「いま曲がり角にきたのよ。曲がり角をまがったさきになにがあるかは、わからないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。」
こんな元気が出る名言が残されている名作『赤毛のアン』。この『赤毛のアン』の物語の舞台となったカナダ東部セントローレンス湾に浮かぶ小さな島が、今回紹介をする〝プリンスエドワード島(PEI)〟だ。
「島の観光名所と言えば?」と現地在住の日本人に聞くと、ほぼ皆「グリーンゲーブルズハウス」と口にする。何を隠そうグリーンゲイブルズハウスは、先に紹介した『赤毛のアン』の舞台を忠実に再現した建物なのだ。家の前に広がる景色と、建物内に健在する物語の中にも出てくる実物品を目にすると、「アンがドアから出てくるのでは?」という思いにとらわれ、ファン問わず、皆が楽しめる場所だ。
次にプリンスエドワード島で外せないのは、鉄分が多く含まれている柔らかい赤土だ。北海岸に位置する国立公園の赤土の断崖は、思わず固唾を飲んでしまう景色で、人気の写真撮影スポットでもある。海辺なので風が吹くと肌寒く感じるが、どこまでも続く美しい海岸線はいつまでも眺めていられる。この赤土と青い海と美しいコントラストを奏でるのが、緑が広がる島全体の風景だ。
この緑が広がる風景にアクセントを付け加えるのが、季節によって彩りをかえる花々だ。5月には『赤毛のアン』の主人公アンが大好きだったメイフラワーが咲き始め、野原がタンポポの黄色に染まり、リンゴの白い花が顔を出す。6月下旬~7月上旬は、ピンクや紫のルピナスの花が咲き乱れ、爽やかで過ごしやすい気候に華をもたらす。夏はイチゴの花が咲きだし、秋は東部カナダでは有名な紅葉(黄葉)で、訪れる人々の目を四季折々と楽しませる。
そんな美しい景色と共に忘れてはならないのが「食べ物」である。プリンスエドワード島名産のジャガイモ、シーフード料理(ロブスターやムール貝等)、乳製品、地ビールなどは見逃せない。中でも人気を誇るのは、ロブスター料理ではないだろうか。ロブスターロールなども美味しいが、バキバキ折ったり、剥いたりして旬の新鮮なロブスターを丸一匹食べる食事は、何とも贅沢で至福のひとときと言える。またこの島発祥の「COWS」と呼ばれるアイスクリーム屋さんは、島で搾乳されたミルクを利用した濃厚なアイスクリームを楽しむことができ、アイランダー(島人)問わず、観光客にも大人気だ。
また州都・シャーロットタウンは、気軽に歩いて観光出来るコンパクトな街で、ブラブラと街を歩きながら気になったお店やバーなどに立ち寄り、お気に入りの一品を見つけてみてはいかがだろうか。
さて最後になるが、目をつぶって想像して欲しい。紫のルピナスの花が咲き乱れ、アンが花畑を走り回り、そのままレストランへ誘われる。すると、新鮮なロブスターやシーフード料理が目の前に出されて、美味しく頬張っている自分の姿を。
「世界で一番美しい島」と形容され、美しい風景とアイランダーの温かみ、美味しい食事を味わえるプリンスエドワード島。そして『赤毛のアン』の物語内にタイムスリップ出来るこの地へ友達同士は勿論のこと、世代を超えた家族でも訪れたくなるのではないだろうか。