I Love RYOJI #19
RYOJIファンがRYOJIの魅力やオススメを寄稿するコーナー
第19回目はかなさん
私が沖縄に行ったことがあるのは人生でたったの一回、中学生の時だ。修学旅行先が沖縄に決まり、友達みんなで興奮していたのを覚えている。沖縄で食べたものといえば、ゴーヤチャンプルー、ソーキそば、紅芋タルトくらいしか思い出せないのだが、もう10年以上前のことであるからそれらの味はすっかり忘れてしまっていた。だから、カナダでその味をもう一度食べることになるなんて思ってもみなかった。
お店に入るなり耳に心地よく聞こえる三線の音。琉球民謡というのだろうか。ずっと聞いていると波の音とエメラルドグリーンの美しい海の景色がまぶたの裏に浮かんでくる。
メニューは沖縄料理づくしで通堂ラーメンという沖縄で有名なラーメンも食べれるようだ。何にしようかしばらく悩んだ挙句、私たちはゴーヤチャンプルーとタコライスを注文した。ゴーヤチャンプルーのゴーヤは沖縄から直接取り寄せているとのこと。家庭で作ると苦味が強かったりするのだが、RYOJIのゴーヤチャンプルーは苦味と優しい味付けのバランスが絶妙で、今まで食べたゴーヤチャンプルーの中で一番美味しかった。
タコライスの方は、タコスのピリッとした辛さがご飯によく合い、一口、もう一口と次の一口を誘う。タコスよりもご飯と食べるタコライスの方が美味しいよね、なんて友達と話しながら、やっぱり私は日本人なんだなと思った。
琉球民謡を聴きながら美味しい沖縄料理を食べていると、中学生の頃の楽しかった沖縄旅行の思い出が脳内を駆け巡った。料理は時にその人が忘れていたような思い出さえも蘇らせる、ある種の魔法の力を秘めている。沖縄の世界観、本格的な味に徹底的にこだわるRYOJIは、まさにこの魔法の力を持つお店だ。また冬が来て、夏が恋しくなった時にもう一度訪れようと心に決めて、私たちはお店を後にした。