数え切れない程のルール変更|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
トルドー首相が退任を表明し、カナダは今、混乱の時期を迎えています。以前は「移民はカナダにとっても必要であり、戦力だ」と力強く説いていたトルドー氏が、最後には「移民や短期労働者、留学生をカナダに受け入れ過ぎた。今後はカナダ人の雇用や居住を確保する方向で動いていく」と自身の過ちを認める形となりました。
今月は、昨年(2024年)から発表されている様々なルール変更について(この記事を書いております2025年1月22日付けの情報として)解説します。残念ながら、この内容も今後行われる選挙の結果によって、変更される可能性があるとお考え下さい。
短期滞在ビザ
Study Permit: 2025年における承認上限数は437,000件程度と発表されています。昨年に引き続き、申請には州からのAttestation Letterが必要です(例外有)。SP保有者はセメスター中は最大で週あたり24時間まで就労が可能です。
Post-graduation Work Permit: 昨年11月より、履修したプログラムのレベルに応じた、英語或いはフランス語の言語力をテストで証明することが義務付けられています。またCollege卒業生は政府がIn-Demandと発表しているプログラムを卒業していなければなりません(BA、Masters、PhDは例外)。
Spousal Open Work Permit: 配偶者がカナダで就労するためには、主申請者がNOC Teer 0或いは1の職種で就労しており、最低でも16ヶ月の有効期間が残っていなければなりません。
Flag Pole: 日本は「ビザ免除国」と指定されているため、Closed Work Permitを国境で新規、或いは延長申請することができていました。特に延長申請に関しては、アルバータ州エドモントンにあるWP発行部署が大変混み合っており、審査期間が3ヶ月から5ヶ月と長期化してきていることを考慮し、一度カナダを(空路・陸路で)出国して再入国時に延長申請をし、同日中にWork Permitを取得するという方法を取られる方が多数いました。これをFlag Poleと呼びますが、この方法は残念ながら2024年12月23日付けで禁止と発表されました。従って今後延長申請を行う場合にはカナダ国内で申請しなければなりません(一部例外有)。
LMIA: 2024年11月8日付けで、High Wageの金額が変更となりました。オンタリオ州は28.39ドルから34.07ドルに増額しています。
PR申請
Express Entry: 2025年春(日付未定)、Valid Job Offerの点数(200点或いは50点)を廃止すると発表しています。LMIA申請において不正行為を行っている人が大勢いることを知って、政府が打ち出した方針です。「一時的な廃止である」と発表では述べているものの、真相は分かりません。
両親・祖父母: 残念ながら2025年は抽選、ならびに候補者登録のオープンは行わず、2024年に招待状を受領した人々(2020年に候補者として登録した方々の中から選ばれた35,700件)を引き続き審査していくと発表されています。
Self-Employed: 審査期間の大幅な遅延が原因で2024年4月30日付けで受け入れを停止しており、2026年末までは再オープンの予定無しとのことです。
背景
カナダ移民局(IRCC)の大臣は、連邦政府に対して「2025年に約100万人の短期滞在ビザ保有者がカナダを自主的に去るだろう」と述べています。但し「100万人がカナダを退去したのか一人一人調べるのか」という議員の質問には回答していません。
LMIA申請のための時給額を上げることで「外国人を雇えなくなるカナダの雇用主が続出するであろう」と見込み、またPGWPの申請条件を厳しくしたり、Express EntryのValid Job Offerのポイントを停止したりすることで、カナダの一時滞在者が長期的に滞在できる機会を失うようにとカナダ政府が残念ながら誘導している、としか思えなくなりつつあります。
Flag Poleを禁止したことは、日本より駐在員や医療留学生としてカナダでClosed Work Permitを保持している方々にとっても大きな痛手となっています。これは「法律の緩いカナダに一旦入国し、陸路でアメリカに違法入国する人々」を取り締まるようにトランプ大統領から圧力をかけられたことで、アメリカに面するカナダの国境に来る、一時滞在者の数(年間約7万人)を減らすために打ち出した政策と言われています。
最後に
今月は沢山の変更点について述べました。これらは昨年より次々と発表されている変更のごく一部にしか過ぎません。また冒頭で述べましたように、今後も選挙の結果次第でこれらの内容が変更する可能性が大きく、常に新しいニュースを把握していくのは大変難しいかと思います。
今後3年間は、常日頃しっかりと勉強をして最新の情報を把握している、信頼のおける移民弁護士や政府公認移民コンサルタントにご相談されることをお勧め致します。