[第9回] ミディエーション 2|カナダ・オンタリオ州公認パラリーガルによる日本語法律相談
前回は、ミディエーションが、弁護士を雇わないオプションではないことを説明しました。今回も引き続き、家族法のケースを例にミディエーションについてお話しましょう。
◆ミディエーターの選び方
最もお勧めしたいのは、経験豊かなミディエーターの採用です。元判事やスペシャリスト認定ファミリー・ロイヤーらのフィーは高額ですが、彼らの経験と実績を考えると十分納得できるものです。
しかし、オンタリオ州のミディエーション・システムは、 経済的余裕のない人々にもその門戸を広げています。詳細は、Family Law Information Centres(FLIC)で入手できますが、以下に概要を紹介しておきましょう。
◆オンサイト・ミディエーション
オンサイト・ミィディエーションとは、ケース・コンファレンスやモーション・ヒアリングで裁判所を訪れた際、コーディネーター(Information & Referral Coordinator)にミディエーションを望むことを伝え、同日その場でミィディエーションを行うことを指します。
しかし、ミディエーターの都合などで、長時間待つことになったり、別の日に来るよう指示されたりすることもあります。どちらの場合も2、3時間のミィディエーションを無料で行ってもらえます。
◆サブシダイズト・ミディエーション
サブシダイズト・ミディエーションとは、それぞれの収入と扶養家族の数によって、ミディエーションの費用を助成するシステムです。1時間$235(収入$125,000以上)から$5(収入$15,000以下)という、フィー・スケジュールは、支払い能力を考慮した納得できる支援ですね。
(mediate393.ca/subsidized-mediation/参照)
◆インテイク
ミディエーションは個人の意思によるオプションです。裁判所がミディエーションを言い渡す場合も、命令(コート・オーダー)の形ではなく奨励(サジェスチョン)の形をとります。
しかし、裁判官は、ミディエーションのインテイクを命令することができます。インテイクは、担当ミディエーター自身が当事者双方と別々に面談し、状況を整理し、ミディエーションが適切であるかどうかを判断する大切なプロセスです。
このプロセスで、家庭内暴力などが発覚し、当事者が同じ部屋にいることがふさわしくないとされた場合は、ミディエーターが別々の部屋にいる当事者間を行き来するなど、様々な工夫がなされます。
しかし、ミディエーターが当事者間の力関係にあまりに大きな差があると判断した場合、ミディエーションそのものをキャンセルすることもあるのです。
いかがでしょう。ミディエーションについて少し理解を深めていただけたでしょうか。次回はミディエーションそのものについてもう少し掘り下げてみたいと思います。
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