便利なコンビニを利用して気づいた添加物やプラスティック問題|トロントの居酒屋風雲児【第42回】
先月早いもので「Guu Izakaya Toronto」の再オープンから3周年を迎えました。決して楽しいだけの3年間ではありませんでしたが、本当にあっという間の3年間でした。これまでご来店いただいた多くのお客様、毎日笑顔で頑張ってくれているスタッフ、そして毎日そばで応援してくれる家族に心から感謝しています。まだまだ3年、これからももっともっと多くのお客様から愛されるお店になるようにスタッフ一同、一生懸命頑張りますので、これからも何卒応援よろしくお願いします。
今年も夏休みで日本に家族で帰省しましたが、まだ梅雨明けをしていなかった今年の日本はトロントと比べてかなり涼しく、ジメジメして汗びっしょりの夏よりは良かったのですが、滞在中に晴れたのは数日とあまり天気に恵まれない夏休みとなりました。久々に日本に戻ると電車の乗り継ぎや、どこにでもある自動販売機、夜中でも開いている24時間営業の店、などカナダと比べると色々と便利だなと思うことが多いですが、特に日本のコンビニは本当にとても便利だなと実感します。
お弁当やジュースの品揃えはもちろんのこと、最近ではカフェ顔負けの味のコーヒーやデザート、薬に子供用品、また公共料金の支払いや宅配便、ATMまであって何でも揃うコンビニは今や日本の生活には必要不可欠な存在だと思います。特にホテル滞在中は自炊することも少なく、スーパーよりも多く利用する機会がありますし、今回も毎日のように利用しましたが、便利な反面、少し怖いなとも思ったコンビニでした。
というのも、ある日、時差ボケのため夕飯の前に寝てしまった息子が明け方に目を覚まし、お腹が空いたというけれどどこの店もまだ開いていない時間だったので、コンビニでおにぎりを購入し食べました。その30分後、息子の目の周りが赤く腫れていることに気付きびっくり。起きた時に目は異常無かったし、起きてから口にしたのはおにぎりだけと思うとやはり添加物か何かに反応したのかなと少し不安になりました。私自身はオーガニック食品しか食べないという訳では無いですが、子供たちにはなるべくオーガニック食品を中心に与えてきたので、息子には添加物などに対する免疫が少なかったのかもしれません。
実際、おにぎりの袋の裏側に表記されている原材料を見てみると、ph調整剤、アミノ酸、グリシン、酸化防止剤、酵素、乳化剤などよく分からないものが沢山記載されていて怖くなります。また日本では「表示の免除」というものが認められているため、それを生産、加工する過程で添加物を使用していたとしても記載しなくていいために、原材料表示にある数よりももっと多くの添加物が使用されている可能性が高いと言われています。例えば、梅おにぎりに使用されている「しそ入りねり梅」を製造する過程で添加物が使用されていても、原材料に「しそ入りねり梅」とさえ表示すれば、その添加物は表示の義務がないということになります。
これだけ多くのコンビニが日本にはあるので、食中毒を起こさないためだったり、時間が経っても美味しく見えるようにと添加物を加えていると思いますが、どこでもいつでも食べられる便利さと引き換えに私たちの身体に対して何らかの作用が生じる危険性があるのも事実かと思います。
また先月のコラムでも取り上げたプラスティックゴミ問題ですが、ペットボトルの飲み物やプラスティック製のお弁当箱、無料でもらえるプラスティックバッグなど、1回のコンビニの買い物で出るプラスティックゴミの数に毎回驚きます。便利であることはいいことかと思いますが、身体への安全性やゴミ問題など、色々とバランスが必要だなと再認識させられた日本のコンビニでした。
小笠原 克 Ogasawara Masaru
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。