最高のスパイスとマクドナルドの進化|トロントの居酒屋風雲児【第49回】
今年の冬は例年よりも暖かいですが、冬は冬らしくしっかりと満喫したいですね。最近は息子と週末にアイススケートやそり滑りに行ったりしていますが、今年はスノーボードも教えてあげたいなと思いながらもまだスキー場に行けず、去年からやりたいと言っているアイスフィッシングにもまだ行けず。長いトロントの冬ですが、春が来る前にやりたい事がまだまだ沢山あるなと気づく今日この頃です。
飲食店で働くようになってからか、前にも増して人が作る料理に感謝をするようになったように思います。自分が作る料理は、途中で味見をし、出来上がりの味や盛り付けなど既に自分で知っているため自分で感動することはありませんが、他の人が作る料理には色々な驚きや感動があります。以前から母親が作ってくれる料理などに感謝をしていなかったわけではないですが、子供の頃はそれが当たり前に思っていて、どれだけ大変な事なのかが分かっていなかったので、今考えるとやはり感謝の気持ちが少なかったように思います。
しかし今は、外食する時、自宅で妻が作ってくれる時、店でスタッフが賄いを作ってくれる時など、けっして豪華な料理でなくても自分で作る時よりも満足し、作ってくれたことにとても感謝するようになりました。食べる人のことを考えて作った料理や、真心をこめて作った料理は、色々な気持ちが最高のスパイスとなって美味しくなるんだと私は思います。また逆に料理にあまり人の愛情を感じないファーストフード店に行くことはあまりありません。手軽な価格でいつでもどこでもすぐに食べられる利便性は素晴らしいですが、お腹は満たされるけども、どこか心が満たされない感覚があまり好きではありません。
正直ハンバーガーは好きですが、カナダに来てからの15年で、マクドナルドに行ったのは2~3回程度だと思います。しかし、つい先日久しぶりにマクドナルドでハンバーガーを食べました。正直なところ、とても美味しかったです!グルメバーガーのようなアンガス牛を使用したハンバーガーを食べましたが、バンズもパティもボリュームあり満足でした。また久しぶりのマクドナルドの店頭にはタッチパネルが用意され、列に並ばずに無人でオーダーが出来るようになっていたり、席まで商品を持ってきてくれるサービスなどもあり驚きました。
その他にもフロアにスタッフが配置されていて、テーブルを拭いたり片付けたりなど、レストランのサーバーのようなサービスで、かなりアップグレードされている事に驚きました。私はあまりマクドナルドを利用しませんが、オンタリオ州だけでも約500店舗、カナダ国内にはその3倍の約1400店舗、日本にはさらにその倍以上の約3000店舗、世界では約120カ国で合計約3万8000店舗もあるマクドナルド、本当に凄いです。
巷ではジャンクフードはよくないとか、マクドナルドを1ヶ月食べ続けて体がどう変化するかといったドキュメンタリー映画が放映されたり、1週間放置しても腐らないハンバーガー、などと色々な批判やバッシングをうけながらもここまで成長し、今でもまだ成長し続けているマクドナルドはすごいブランドだなと感心しました。
添加物、トランス脂肪酸、飽和脂肪酸、ビタミンやミネラル不足などファーストフードは体に悪いイメージがありますが、何事もバランスが重要だなと思います。食事に気をつけていても体を壊す人もいるし、健康を一切気にしなくても元気な人はいます。5年後、10年後も今と変わらず元気で健康でいるためにもバランス良い食生活にしていければと思います。
小笠原 克 Ogasawara Masaru
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。