「トロントで「よさこい」をすることへの意義や想い」桜舞トロント代表 ヒンクル友里香さん インタビュー【後編】|カナダと日本の架け橋ピープル
よさこいダンスグループの桜舞代表として活躍を続ける友里香さん。ご自身の歩みやグループについて語ってもらった前編に続き、後編ではトロントで「よさこい」をすることへの意義や想いなどを語っていただいた。
「エネルギーとパワーがすごい」という感想が一番嬉しい
ー公演を通じて、観客の反応で印象に残っていることはありますか?
一番嬉しいコメントは、「とにかくエネルギーが凄かった。何なのかはあまりよく分からなかったけど、でもパワーを感じた」という言葉をよく頂くのですが、すごく嬉しいです。「よさこい」の良いところは、私たちが踊っていて楽しいのはもちろんですが、観客を巻き込む力があることです。そのパワーはダンサーの力だけの団結ではなく、お客さんも含めた空間の団結が生まれること。それにいつも鳥肌がたつ感覚です。
東京の原宿で行われる「スーパーよさこい」に出場を予定
ーどのようなイベントなのですか?
去年は107チームが参加し、日本全国に加えて海外からも1チーム参加したそうです。1つのチームに100人踊り子がいてそれぞれが色とりどりの衣装を着てオリジナリティ溢れた演舞を披露します。今年は海外チームが何組か参加しそうなのですが、私たち桜舞はカナダから出る予定です。8月24、25日の開催で、イベントまであと少しです。今は、過去に桜舞で活動をしてくれた昔のメンバーにも声をかけて、もう一度日本で集結しようとしています。日本にいる子は日本で練習をして、カナダはカナダで。そして本番で集合する予定です。
ー多国籍のたくさんのメンバーで一つの作品を作り上げるのはご苦労もあるかと思います。
今、日本での披露に向けてコンセプトから全て自らプロデュースする際に、今までトロントで披露して来たダンスの準備と比べてやはり入る気合が違うというのはあります。また、メンバー間の温度差の違いは常に課題となっています。プッシュすればするほど付いてきてくれる子もいるけれど、しすぎると離れてしまう場合もあるので、その温度差をどれだけ近づけるのかに日々チャレンジしています。
「よさこい」は人の成長に繋がるツール
ー「よさこい」を通じた活動に対する想いを教えてください。
誰でもできる、ということにすごく魅 力を感じています。私は、「よさこい」は 人を繋げるツールだと思っています。今 トロントで「よさこい」をもっと広げた いと思っている理由としては、人数が多 い中でチームとして活動するには、色々 な要素があります。リーダーがいて、付 いてくる周りの人たちがいて、その中で 一人ひとりがチームにどういった形で 貢献できるのかを考える機会を与える ことになるからです。
私は、大学時代はリーダーではなかっ たのでみんなについていく身だったのですが、それでも自分なりに何ができるのか、自分の役割はなんなのかというのをすごく考えました。そういう考え方は、自分も貢献しようという気持ちになりますよね。その要素も踏まえて、将来的に「よさこい祭り」ができればと思っています。演舞をしているだけだと物足りなくなってしまいます。コンペティションになるとまた違うと思っています。良いものを作りたいという気持ちが生まれ、良い意味での刺激をお互いに与え合える環境があると、人は成長していきます。その点で、「よさこい」は良いツールだと思うので、やり続けていきたいです。
ー今後の展望についてお聞かせください。
今後の展望としては、今年の8月の 「スーパーよさこい」に出場することが一 番近い目標です。そこで経験したことを トロントに持って帰って来られるように勉強をしながら、その経験を大切にしていきたいです。その後、長い展望としては、トロントで「よさこい祭り」をしたいです。また、「よさこい」が「YOSAKOI」となりいずれはインターナショナル言語になる事を夢見ています。
また、桜舞はカナダ全土に支部を拡張しようとしています。よさこいを自分の地域でやってみたい、立ち上げてみたいという方はご連絡ください。お手伝い致します!
ーこれまでの歩みを教えてください。
日本で大学時代、外国語学科に通いながらソングリーディング部に所属していました。そこでダンスの楽しさ、チームが一丸となってみんなでサポートし合いながら目標に向かって努力する大事さを学びました。大学卒業後、ホテル業に携わりたいという思いがあったため、バンクーバーでホスピタリティの学校に通いました。その後、15年以上働き続けたホテル業界のキャリアに終止符を打ちダンスを通して日本の文化を伝えることに専念したいと決めました。
これまで仕事や子育てもあるなかで踏み出すことが出来ずにいたのですが、今やらなかったら後悔するという気持ちの方が大きくなり踏み出す決心をしました。リスクの高い道を選ぶことで色々な面で大変な思いをすることを覚悟の上、自分が持っているパッションを形にして少しでも人の心にインパクトを与えられたらと思っています。
Instagram: @sakuramaiTO
YouTube: @sakuramai2011